オラクル絶好調！株価うなぎ登りの秘密は「AI」と「データ」？
みなさん、こんにちは！ITジャーナリストのジョンです。最近、なんだか「オラクル」っていう会社の名前をよく聞くようになったと思いませんか？実はこのオラクル、最近の決算発表で市場をアッ！と驚かせ、株価もグーンと上がったんです。2001年以来、最高の週間株価上昇を記録したそうですよ。いったい何があったんでしょう？その秘密は、ズバリ「AI（人工知能）」と、オラクルが昔から得意としてきた「データ」にあるようなんです。
今日は、このオラクルのAI戦略について、AIって何？という初心者の方にも分かりやすく、噛み砕いてお話ししていきたいと思います！
昔はちょっと出遅れ気味？オラクルのクラウド戦略
オラクルといえば、もともと「データベース（たくさんの情報を整理してしまっておく、大きな電子の箱のようなもの）」の分野では超有名な大企業。世界中の多くの会社が、大切な情報をオラクルのデータベースで管理してきました。
でも、数年前までは「クラウド（インターネット経由でサーバーやソフトなどのITサービスを使う仕組み）」への対応がちょっと遅いんじゃない？なんて批判されることもあったんです。その間に、マイクロソフトやアマゾンのようなライバル企業がクラウド分野でぐんぐん成長していきました。
ところが、オラクルはここで面白い作戦に出たんです！
オラクルの「逆転の発想」：自社のデータでAIを賢く使おう！
最近話題のチャットGPTのような「LLM（大規模言語モデル）」ってありますよね？あれはインターネット上の膨大な情報で学習していて、本当に賢いんですが、実は大きな弱点もあるんです。それは、個々の会社の「社内データ」については何も知らないということ。
例えば、ある会社が自社の顧客データや製品情報を使ってAIに何か分析してほしいと思っても、一般的なLLMは「あなたの会社のことは分かりません…」となってしまうわけです。多くの企業が、この「社内のデータ」をどうやってAIに活用するかに頭を悩ませていました。「RAG（検索拡張生成）」といって、AIが外部の情報を参照しながら回答する技術も出てきましたが、それでもまだ課題はありました。
そこでオラクルが考えたのは、「うちのデータベースには、お客様の大切なデータがたくさんあるじゃないか！だったら、そのデータをわざわざよそに持っていかなくても、安全にAIで分析できるようにすればいいんだ！」ということ。
まさに逆転の発想ですよね。新しい「Oracle Database 23ai」という製品は、この考え方を形にしたもので、データベースそのものにAIの機能が組み込まれています。これによって企業は、自分たちが持っているデータを、外部のサービスに送ることなく、自分たちの管理下で安全にAIを使って分析できるようになったんです。これは企業にとって、ものすごく魅力的な話なんですよ。
「データの王様」オラクルだからできること
オラクルの創業者でありCTO（最高技術責任者）のラリー・エリソン氏は、決算発表の場でこんな風に言ったそうです。「他の会社は『自分たちが全てのデータを持っているからAIが得意だ』と言う。でも、それは間違いだ。我々こそが、世界の価値あるデータの大部分を、オラクルのデータベースの中に持っているんだ！」
ちょっと強気な発言ですけど、これには確かな根拠があります。長年、多くの大企業が基幹システム（会社にとって一番大事なシステム）のデータをオラクルのデータベースで管理してきたのは事実ですからね。
オラクルは、この「データの王様」としての立場を最大限に活かそうとしています。つまり、企業がすでにオラクルのシステムに持っているデータを使って、安全かつ確実にAIによる洞察（データから新しい発見や改善点を見つけること）を得られるようにする、というわけです。「AIを使うために、わざわざ新しい、よく分からない場所にデータを移す必要はないですよ」というのがオラクルのメッセージなんですね。
さらにオラクルは最近、「マルチクラウド」という戦略も進めています。これは、自社のクラウドサービス（OCI：Oracle Cloud Infrastructure）だけでなく、アマゾン（AWS）やグーグル（Google Cloud）、マイクロソフト（Azure）といった他の会社のクラウド上でも、オラクルのデータベースを使えるようにするというもの。これにより、企業は自分たちの状況に合わせて、より柔軟にオラクルの技術を利用できるようになります。
でも、まだパズルのピースが足りない？「開発者」のハートを掴め！
さて、ここまで聞くとオラクルは向かうところ敵なし！という感じがしますが、実はまだ大きな課題が残っている、と専門家は指摘しています。それは、「開発者」からの支持を得ることです。
開発者というのは、実際に新しいアプリケーションやソフトウェアを作る人たちのこと。今のオラクルの成長は、主に既存の大口顧客との取引によるものが多いと言われています。もちろん、それも素晴らしいことですが、これからの時代、新しいサービスや革新的なアイデアを生み出すのは、往々にして開発者たちです。
もし開発者たちが「何か新しいものを作ろう！」と思ったときに、オラクルの技術を選んでくれなかったらどうでしょう？オラクルは、未来の大きな成長チャンスを逃してしまうかもしれません。クラウドの時代において、開発者は「次にどんな技術が流行るか」を決める、いわば新しい時代の王様のような存在なんです。
開発者に振り向いてもらうために：オラクルへのちょっとした提案
じゃあ、オラクルはどうすれば開発者の心をもっと掴むことができるんでしょうか？いくつか提案が考えられます。
- もっと気軽に試せるようにする：開発者が「ちょっとオラクルのクラウド、使ってみようかな」と思ったときに、クレジットカードですぐに始められて、料金体系も分かりやすい、というのが理想です。無料枠を充実させたり、スタートアップ企業や個人の開発者、オープンソース（設計図が公開されているソフトウェア）プロジェクトへの支援を手厚くしたりするのも良いかもしれません。
- 開発者コミュニティとの連携強化：開発者が集まるイベントに参加したり、オンラインで情報交換できる場所を作ったり、オラクルの技術を使って成功したスタートアップの事例を紹介したりするのも効果的です。
- 開発者向けの便利なツールを提供する：最近発表された「Oracle Code Assist」は、Javaというプログラミング言語を使う開発者をAIがサポートしてくれるツールです。こうしたツールをどんどん開発して、開発者の声を聞きながら改良していくことが大切です。
- オラクルの「すごい技術」をもっと簡単に使えるようにする：例えば、最新のデータベース「Oracle Database 23ai」には、AI向けの面白い機能（JSONリレーショナル二面性やベクトル検索など、ちょっと専門的ですがデータ活用の幅を広げる技術です）がたくさん詰まっています。でも、どんなにすごくても、開発者がそれを簡単に試せなければ意味がありません。すぐに開発用のデータベースを用意して、データを読み込ませて、プログラムから呼び出せるようにする、といった手軽さが必要なんです。
ジョンからのひと言
いやー、オラクルが長年培ってきた「データ管理の強み」を活かして、AI時代に新たな挑戦をしているのは、見ていて本当にワクワクしますね！まるでベテラン俳優が、新しい役柄で再び脚光を浴びているような感じです。
ただ、どんなに良い製品やサービスも、それを使って新しい価値を生み出してくれる「人」、つまり開発者の存在が不可欠です。今回のオラクルの話は、他の多くのIT企業にとっても他人事ではない、大切な教訓を含んでいるように感じました。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです：
The key to Oracle’s AI future