最近よく聞く「生成AI」、お店と銀行で使われ方が全然ちがう!?
こんにちは、AI技術について分かりやすく解説するジョンです!
最近、「生成AI(ジェネレーティブAI)」って言葉、ニュースやネットでよく見かけませんか? チャットで質問に答えてくれたり、素敵な絵を描いてくれたりする、あの賢いAIのことです。
実はこの生成AI、私たちの生活に身近な「小売業(お店やネット通販など)」と、お金を扱う「金融業(銀行や証券会社など)」では、その使われ方や開発の進め方が結構違うようなんです。なんだか面白そうですよね!
今回は、この二つの業界で、生成AIとどう向き合っているのか、その違いを一緒に見ていきましょう。AIって難しそう…と思っているあなたも、きっと「へぇ~!」と楽しめるはずですよ。
小売業は「即戦力」! 金融業は「じっくり吟味」
まず大きな違いは、新しい技術を導入するスピード感です。
あるAI関連企業の調査によると、小売業の会社は、金融業の会社に比べて、なんと2.1倍も早く生成AIを実際のサービスに組み込んでいるんだとか!
具体的に言うと、こんな感じです。
- 小売業: 生成AIを使ったプロジェクトの約61%が活発に開発中。つまり、どんどん新しい機能を作って、試して、世に出そうとしているんですね。
- 金融業: こちらは活発な開発中のプロジェクトが約22%。小売業に比べると、まだ実験段階に留まっているところが多いみたいです。
小売業は、お客さんに「これ、便利!」「楽しい!」って思ってもらえるような機能を、生成AIを使ってどんどん開発しているイメージですね。例えば、あなたにピッタリの商品をおすすめしてくれる機能とか、AIチャットボットがお問い合わせに自動で答えてくれるサービスなんかがそうです。
一方、金融業はもっと慎重。お金を扱うお仕事ですから、間違いは絶対に許されません。だから、新しい技術を導入するにも、じっくり時間をかけて、まずは社内のシステムで試してみる、というケースが多いようです。
なぜこんなに違うの? それぞれの「お家の事情」
このスピード感の違いには、それぞれの業界が抱える事情が関係しています。
小売業は、お客さんの反応がダイレクトに売上に繋がりやすいですよね。だから、AIを使って「もっと便利なサービスを提供したい!」「お客さんにもっと喜んでほしい!」そして「もっと売上を伸ばしたい!」という気持ちが強いんです。お客さんの声を聞いて、すぐに改善していくサイクル(フィードバックループって言います)も短いので、新しい技術をどんどん試しやすい環境なんですね。
金融業は、さっきも言ったように、お金という非常にデリケートなものを扱います。だから、国からの規制も厳しいですし、セキュリティも万全にしなくてはいけません。新しい技術を導入するには、たくさんのルールをクリアする必要があるんです。だから、どうしても慎重にならざるを得ないんですね。
意外? AI研究の歴史は金融業の方が長いことも
「じゃあ、金融業はAIに消極的なの?」と思うかもしれませんが、実はそうでもないんです。
調査によると、金融業の会社が生成AI関連のプロジェクト(プログラムの設計図などを保管しておく場所、リポジトリって言います)を始めた時期は、平均で688日前。それに対して小売業は453日前。
つまり、金融業の方が、実は生成AIの研究には早くから取り組んでいるケースが多いみたいなんです。これはちょっと意外ですよね!
専門家の中には、「金融業界は昔からデータ分析が得意だから、もっと早くからAIに取り組んでいると思っていたよ。小売業が453日も前からやっているなんて、むしろそっちに驚いた!」なんて声もあるくらいです。
金融業は昔からたくさんのデータを使って分析をすることに長けているので、AI技術にも早くから注目していたのかもしれません。ただ、それを実際のサービスとしてお客さんに提供するまでには、やっぱり時間がかかる、ということなんでしょうね。
AIに何を期待してる? 目的にも違いが!
それぞれの業界が、生成AIに何を期待しているのか、その目的も少し違うようです。
- 小売業: 「このAI技術を使って、どうやったらもっと効率よく仕事ができるかな?」「どうしたらもっと利益を増やせるかな?」という視点が強いみたいです。例えば、AIでお問い合わせ対応を自動化して人件費を抑えたり、お客さん一人ひとりに合った商品をおすすめして購入率を上げたり、といったイメージですね。
- 金融業: こちらは、「このAI技術で、何か新しい金融商品やサービスを生み出せないか?」という、イノベーション(新しい価値を生み出すこと)を重視する傾向があるようです。まだ世の中にない、画期的なサービスをAIで実現しようとしているのかもしれません。
使う「道具」も違う! AI開発ツールの選び方
料理をするときに色々な道具を使い分けるように、AIを開発するときにも色々な「ツール」があります。このツールの選び方にも、小売業と金融業で違いが見られました。
- 金融業: OpenAI Client、LangChain、LiteLLMといった、たくさんの種類のAI開発ツールを使っている傾向があります。これは、色々なパターンのAIを試したり、様々な種類のデータを使って実験したりしているからだと考えられます。まさに「いろいろ試して、可能性を探る!」という感じですね。
- 小売業: こちらは、OpenAIのPython SDK(プログラムを作るための部品セットみたいなものです)やLiteLLMなど、比較的少ない種類のツールに絞って使っているようです。これは、お客さん向けのサービス、特に効果の高い機能(例えば、商品のおすすめ機能や、一人ひとりに合わせた検索機能など)に集中的にAIを投入しているからだと言えそうです。「少数精鋭で、一点集中!」という戦略ですね。
小売業のように使うツールを絞ると、開発のスピードが上がりやすいというメリットがあります。色々なツールを連携させる手間が減りますし、開発の進め方もパターン化しやすくなるからです。
一方、金融業のようにたくさんのツールを使うと、柔軟性はいろいろ試せるというメリットはありますが、管理が複雑になったり、セキュリティのリスク箇所が分散してしまったりする可能性も出てきます。ある専門家は、「AIツールを20個も使っていても、それが革新的とは限らない。むしろ、管理しきれなくなるだけだよ」なんて厳しい意見も言っているくらいです。
じゃあ、どうすればいいの? それぞれのリスク対策
それぞれの業界で、生成AIを安全かつ効果的に使うためには、ちょっと違った点に気をつける必要があるようです。
- 小売業: まずは、どんなデータをAIに使っているのかをしっかり把握すること(データマッピングって言います)。そして、そのデータに誰がアクセスできるのかをきちんと管理・チェックすること。さらに、AIを本格的に導入する前に、プログラムのコードを分析して問題点がないか早めに発見することが大切です。
- 金融業: パスワードなどの重要な情報が漏れないようにしっかり検出すること。AIプログラムが使っている他の部品(依存関係って言います)が古くなっていないか、安全な状態かを常にチェックすること。そして、もし長い間使っていない古いAIプロジェクトがあったら、それを見直して、作り直すか、いっそのこと廃止するかを検討することが推奨されています。
ジョンの一言
いやー、面白いですね! 同じ「生成AI」という技術でも、業界が違うだけでこんなにもアプローチの仕方が変わってくるなんて、なんだかワクワクしませんか?
小売業の「スピード重視でお客さんにどんどん新しい体験を!」という姿勢も、金融業の「じっくり慎重に、でも新しい可能性を探求する!」という姿勢も、どちらもすごく大切なことだと感じました。
AIって聞くと、なんだか遠い世界の話のように感じるかもしれませんが、こうやって身近な業界でどんどん活用が進んでいるんですね。これから私たちの生活が、AIによってどんな風に便利に、そして面白くなっていくのか、ますます楽しみになりました!
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
Retail versus finance: How genAI coding strategies
diverge