心理学者が語る、私たちが一番誤解している「あの感情」とは?
こんにちは、ジョンです。毎日をもっと元気に、そして賢く生きるためのヒントをお届けしています。今日は、私たちの心と体に関わる、とっても大切なテーマについてお話しします。
突然ですが、皆さんには「誤解されやすい感情」ってありますか?実は、臨床心理学者(心の動きや悩みを専門に研究したり、相談に乗ったりする専門家です)の先生によると、多くの人が間違って理解している感情があるそうなんです。それは、私たちの人生において、もっと多くの「スペース」を与えられるべき感情だと言います。
その感情とは、一体何なのでしょうか?そして、どうして私たちはそれを誤解してしまうのでしょう?一緒に見ていきましょう!
その感情の正体は「悲嘆(グリーフ)」
先生が指摘する、私たちが最も誤解しがちな感情。それは多くの場合、「悲嘆(ひたん)」または英語で「グリーフ」と呼ばれるものです。
「グリーフ」と聞くと、なんだか難しそう…と感じるかもしれませんね。簡単に言うと、大切な人やもの、あるいは状況を失ったときに感じる、自然で複雑な心の反応のことです。例えば、
- 家族や友人、ペットとの死別
- 恋人との別れ
- 仕事や健康を失うこと
- 引っ越しで慣れ親しんだ場所を離れること
- 夢や目標を諦めなければならなくなった時
こんな時に感じる、深い悲しみ、寂しさ、怒り、罪悪感、混乱など、さまざまな感情がグリーフに含まれます。「なんだ、ただの悲しみじゃないか」と思うかもしれませんが、グリーフはもっと奥深く、私たちの心身に大きな影響を与えるものなんです。
「悲嘆(グリーフ)」に関するよくある誤解
では、具体的に私たちはグリーフについてどんな誤解をしているのでしょうか?いくつか代表的なものを見てみましょう。
誤解1:グリーフは「死別」の時だけ感じるもの?
これは大きな誤解です。先ほども触れたように、グリーフは死別に限りません。失恋、失業、引退、健康の喪失、大切な関係性の変化など、人生におけるあらゆる「喪失(そうしつ)」体験がグリーフを引き起こす可能性があります。人生の転機や、期待していたことが実現しなかった時にも感じるものなんですよ。
誤解2:グリーフには決まった「段階」があり、順番に進むべき?
「悲しみの5段階(否認→怒り→取引→抑うつ→受容)」という言葉を聞いたことがあるかもしれません。これはキューブラー=ロスという精神科医が提唱したものですが、元々は末期患者さんが自身の死と向き合う過程を説明したものです。誰もがこの順番通りに経験するわけではありませんし、行ったり来たりすることも、いくつかの感情を同時に感じることもあります。グリーフの道のりは、一人ひとり全く違う、とても個人的なものなんです。
誤解3:グリーフは早く「乗り越える」べきもの?
「いつまでも悲しんでいないで、早く元気を出して」と周りから言われたり、自分自身でそう思ってしまったりすることはありませんか?でも、グリーフに「正しい期間」はありません。無理に忘れようとしたり、感情に蓋をしたりするのは、かえって心の負担を大きくしてしまうことがあります。大切なのは、自分のペースで感情と向き合うことです。
誤解4:グリーフを感じたり表現したりするのは「弱い」こと?
特に男性や、責任感が強い人に多い誤解かもしれません。「泣くのは恥ずかしい」「弱音を吐いてはいけない」と思ってしまうかもしれませんが、グリーフを感じるのは人間としてごく自然な反応です。感情を表現することは、弱さではなく、むしろ自分自身と向き合う強さの表れとも言えるんですよ。
グリーフに「もっとスペースを」与えることの大切さ
冒頭で「私たちの人生において、もっと多くのスペースを与えられるべき感情」と紹介しましたね。どうしてグリーフには「スペース」が必要なのでしょうか?
それは、グリーフをきちんと感じ、表現し、向き合うことが、心の回復と成長に繋がるからです。
- 感情の解放: 悲しみや怒りなどの感情を内に溜め込まず、安全な形で外に出すことで、心の圧力を減らすことができます。涙を流す、誰かに話を聞いてもらう、日記に書くなど、方法は人それぞれです。
- 自己理解の深化: グリーフと向き合う過程で、自分が何を大切に思っていたのか、今回の喪失が自分にとってどんな意味を持つのかを深く理解することができます。
- 新たな意味の見出し: 時間はかかるかもしれませんが、喪失体験を通じて人生の新たな意味や価値観を見つけ出し、人間的に成長することも少なくありません。
- 他者との繋がりの再確認: 悲しみを分かち合える人がいることの温かさや、支え合うことの大切さを改めて感じる機会にもなります。
グリーフを無視したり、避けたりすると、未解決の感情が心の奥底に残り続け、後々、心身の不調として現れることもあります。だからこそ、自分の感情に正直になり、グリーフのための「場所」と「時間」を意識的に作ってあげることが大切なんですね。
悲しみと上手に付き合うためのヒント
では、実際にグリーフを感じた時、どうすれば少しでも楽になれるのでしょうか?いくつかヒントをお伝えします。
- 自分の感情を認める:どんな感情も否定せず、「そう感じているんだな」と受け止めてあげましょう。
- 無理をしない:「いつも通りに振る舞わなきゃ」と頑張りすぎないで。休むことも大切です。
- 信頼できる人に話す:家族、友人、同僚など、安心して話せる人に気持ちを打ち明けてみましょう。話すだけで心が軽くなることもあります。
- 自分をケアする:十分な睡眠、バランスの取れた食事、適度な運動など、基本的なセルフケアを心がけましょう。好きなことに時間を使うのも良いですね。
- 専門家の助けも選択肢に:悲しみが深すぎて日常生活に支障が出たり、誰にも話せないと感じたりしたら、カウンセラーや心療内科医などの専門家に相談することも考えてみてください。専門家は、グリーフケア(悲しみを抱える人への支援)の知識と経験を持っています。
ジョンの一言
今回のテーマは「グリーフ」という、少し重く感じるかもしれないものでした。でも、誰の人生にも訪れる可能性のある、とても人間らしい感情ですよね。私自身も、過去のさまざまな「さよなら」を思い返すと、その時々の感情にきちんと向き合えていたかな、と考えさせられました。無理に元気を出すのではなく、時には自分の心に正直に、悲しむ時間も大切なんだなと改めて感じています。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
The One Emotion We Most Often Misunderstand, From A
Psychologist