AI開発の新しい波？「みんなで作るAI」は「大企業のAI」に勝てるのか？
メタバースの世界や新しいテクノロジーに興味津々の皆さん、こんにちは！あなたの案内人、ジョンです。
最近、ニュースやインターネットで「AI（エーアイ）」という言葉をよく耳にしませんか？今日は、このAI、つまり「人工知能（じんこうちのう）」が、一体誰によって、どのように作られているのか、そしてそこに今、面白い変化が起きているかもしれない、というお話をしたいと思います。特に、AIやメタバースなんて全然知らないよ！という初心者の方にも、なるべく専門用語を避けて、分かりやすく解説していきますので、リラックスして読んでみてくださいね！
そもそも「AI（人工知能）」ってなんだっけ？
本題に入る前に、ちょっとだけ「AI」についておさらいしましょう。
AIは「Artificial Intelligence」の略で、日本語では「人工知能」と言います。すごく簡単に言うと、コンピューターが人間のように物事を考えたり、学んだり、判断したりする技術のことです。
例えば、皆さんがスマートフォンに「今日の天気は？」と話しかけると、音声アシスタントが答えてくれますよね？あれもAIの一種です。他にも、ネットショッピングで「あなたへのおすすめ商品」が表示されたり、最近では車の自動運転技術なんかも、AIが大活躍しています。私たちの生活の、もうかなり身近なところでAIは使われているんですよ。
AIの作り方には、大きく分けて２つの流れがある！
さて、この便利なAIですが、実はその「作り方」には、大きく分けて二つの異なるアプローチがあるんです。それぞれ、どんな特徴があるのか見ていきましょう。
１．大企業のAI開発 ～秘密のレシピで作る最先端技術～
一つ目は、Google（グーグル）やMicrosoft（マイクロソフト）のような、世界的に有名なIT企業（情報技術を扱う大きな会社のことです）などが、自分たちの会社の中だけでAIを開発するやり方です。
- 社内にいるたくさんの優秀な研究者や技術者を集めて、特別な専門チームを作ります。
- AIの設計図や作り方（これを専門用語で「アルゴリズム」や「モデル」と呼んだりします）は、会社の重要な企業秘密として、厳重に管理されます。まるで、老舗料亭の門外不出の「秘伝のタレ」のレシピみたいなイメージですね。
- この方法の強みは、莫大な資金や最新の設備を使って、ものすごく高性能で、革新的なAIが生まれやすいことです。最先端の技術をスピーディーに追求できるんですね。
- 一方で、そうして生まれた素晴らしい技術や詳細な情報は、基本的には開発した会社だけのものになりがちです。他の会社や個人がそのAIを自由に利用したり、中身の仕組みを詳しく知ったりすることは難しい場合が多いのです。このように、特定の企業が強い力を持つ状態を「独占（どくせん）」と呼ぶことがあります。最新技術が、一部の企業に集中してしまうかもしれない、という点が指摘されることもあります。
２．オープンソースAI ～みんなの知恵で育てる「公開レシピ」～
そしてもう一つの作り方が、今回の記事の中心的なテーマでもある「オープンソース」という考え方で作られるAIです。
- 「オープンソース」って、初めて聞く方も多いかもしれませんね。これは、AIの設計図にあたる「ソースコード」（コンピューターに対する命令が書かれたプログラムのことです）を、インターネットなどを通じて世界中の誰にでも見えるように公開してしまうんです！そして、「このAIをもっと良くするために、みんなで自由に改良したり、アイデアを出し合ったりしようよ！」という、とてもオープンなスタンスで開発を進める方法です。
- 例えるなら、料理が得意な人が自分のとっておきのオリジナルレシピをブログで公開して、「この材料を足したらもっと美味しくなるかも！」「こんな盛り付けはどうかな？」と、読んだみんながコメントで意見を出し合ったり、実際にアレンジレシピを作ってみたりして、元のレシピがどんどん進化していくようなイメージです。
- 透明性（とうめいせい）が非常に高い：AIがどんな仕組みで動いているのか、その中身（ソースコード）を誰でも見ることができるので、「何をしているか分からない怪しい箱」ではなく、信頼しやすくなります。
- コミュニティベースで開発が進む：特定の会社だけでなく、世界中のプログラマーや研究者、あるいはAIに純粋に興味がある個人まで、本当にたくさんの人たちが、まるでボランティアのように開発に参加します。国境を越えて、みんなの知恵と力が集結するんですね。
- まるで「生きているプロセス」のよう：多くの人が関わることで、AIは常に新しいアイデアを取り入れて変化し、成長し続けます。一度作ったら終わりではなく、みんなで育てていく、まさに生き物のようなダイナミックな開発スタイルと言えるかもしれません。
で、結局「みんなで作るAI」は大企業に太刀打ちできるの？
さて、ここまで2つのAI開発のアプローチを見てきましたが、ここで気になるのは、「じゃあ、この『みんなで作るAI（オープンソースAI）』は、巨額の資金と多くの専門家を抱える『大企業のAI』と、本当に競争していけるの？」という点ですよね。
元記事によると、このオープンソースAIの開発スタイルは、これまでの「AI開発は、最先端の設備や莫大な研究開発費を持つ大企業が独占的に行うものだ」という伝統的なイメージや常識に対して、大きな挑戦状を叩きつけている、とされています。
オープンソースAIの強みは、主に以下の点にありそうです。
- 水平的（すいへいてき）な開発モデル：大企業のように、トップが決めた方針に従って開発が進む「トップダウン型」とは対照的に、オープンソースでは、より多くの参加者がフラットな関係で意見を出し合い、協力しながら開発を進めます。これを「水平的」と表現しています。多様な視点が取り入れられやすいんですね。
- 透明性（とうめいせい）とそこから生まれる信頼性：AIの仕組みが公開されているため、何か問題が起きた時にも原因を特定しやすく、また、そのAIが倫理的に問題ないか、公平性があるかなどを多くの目でチェックできます。これは、AIを利用する私たちにとって、大きな安心材料になります。
- コミュニティの力とイノベーションの加速：世界中から様々な知識や経験を持つ人々が参加することで、一つの企業だけでは思いつかないような斬新なアイデアや、特定のニッチなニーズに応えるAIが生まれやすくなります。この「集合知（しゅうごうち）」とも言えるパワーが、イノベーション（技術革新）をどんどん加速させる可能性があるんです。
もちろん、大企業が開発するAIは、計算パワーやデータの量で非常に高性能なものが多く、それはそれで素晴らしい進歩です。しかし、オープンソースAIは、その柔軟性、透明性、そして何よりも多くの人々の参加によって、AIという技術を一部の専門家や企業だけでなく、より多くの人々にとって身近で、アクセス可能（利用可能）なものに変えていく大きな力を持っていると言えるでしょう。まさに、AI開発の世界に新しい波が来ているのかもしれませんね。
この動きは、メタバースや私たちの未来にとってどういう意味があるの？
この「オープンソース」という考え方や、それがAI開発にもたらしている変化は、私たちが注目している「メタバース」にとっても、実はすごく重要なポイントかもしれません。
メタバースも、まだまだ新しい、これからの世界ですよね。この新しいデジタル空間を、一部の巨大な企業だけが主導して作り上げていくのか、それとももっと多くの個人や小さなグループが自由に参加して、みんなで協力しながら、多様で豊かな世界を共創していくのか。オープンソースAIの動きは、そうした未来のテクノロジーのあり方や、デジタル社会の方向性にも、少なからず影響を与える可能性があります。
みんなが使える、開かれた技術が増えることで、私たち一人ひとりがクリエイターになったり、新しいビジネスを始めたりするチャンスが広がり、もっと面白いアイデアや、これまでにない便利なサービスが生まれやすくなるんじゃないかな、と僕はワクワクしています。
ジョンからのひと言
AIというと、なんだかすごく難しくて遠い世界の話のように感じてしまうかもしれませんが、こうして「誰が、どんな想いで作っているのか」という視点で見てみると、少しだけ身近に感じられませんか？
オープンソースの動きは、最先端の技術がもっと「みんなのもの」になっていく、大きな時代の流れの一つだと僕は感じています。大企業が生み出すパワフルな技術と、みんなの知恵が集まって生まれるオープンな技術、その両方がバランスよく発展していくことで、私たちの未来はもっと豊かで面白いものになるのではないでしょうか。これからのAIと、それが開く新しい可能性から、ますます目が離せませんね！
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです：
Can Open Source Compete with Corporate AI?