AIクリエーターの道 ニュース：Cisco Liveで発表！AIがネットワークを劇的に変革。開発者はどう変わる？ #AI #ネットワーク #CiscoLive
動画で解説
AIがネットワークの世界に革命？！ まるで90年代のインターネットみたい！
こんにちは、AIテクノロジー解説でおなじみのジョンです。今日は、AIが私たちの身近な「ネットワーク」の世界に、とんでもない変化をもたらそうとしているお話です。まるで1990年代にインターネットが登場して、世界が一変した時のようなインパクトがあるかもしれませんよ！
ネットワーク機器の大手企業シスコのCEO、チャック・ロビンス氏も、AIがネットワークに与える影響を「90年代のインターネットの再来」と表現しています。当時、TCP/IP（ティーシーピーアイピー：インターネット通信の基本的なお約束事です）の登場で、閉ざされたコンピューターネットワークの壁が壊され、世界中の情報が繋がりましたよね。
AIの進化によって、ネットワークは今、これまでとは全く新しいレベルで次の3つが求められています：
- プログラマビリティ：ネットワークをプログラムで柔軟に制御できること
- オブザーバビリティ：ネットワークの状態を隅々まで「見える化」して把握できること
- オプティマイゼーション：ネットワークをもっと効率よく動くように「最適化」すること
これって、最初はネットワーク専門の技術者さんたちの話のように聞こえるかもしれません。でも、歴史を振り返ると、インフラ（社会やサービスを支える基盤のことですね）の大きな変化は、いずれソフトウェア開発者のみなさんの仕事にも影響してくるんです。だから、開発者の方も「他人事じゃないぞ？」と思って読み進めてみてくださいね！
さよなら、ただの箱？ネットワーク機器が「賢く」進化中！
最近よく聞く「クラウドネイティブ」（クラウドの良さを最大限に活かす設計思想のこと）の世界では、コンテナ（アプリを動かすための部品をひとまとめにしたもの）やAPI（エーピーアイ：ソフトウェア同士が情報をやり取りするための窓口）が当たり前の共通言語になりました。実は、ネットワークの世界も同じような大変化の真っ最中なんです。
シスコでCTO（最高技術責任者）を務めるトーマス・グラフさん（彼はCilium（シリウム）という有名なオープンソース技術の開発者でもあります）によると、これまで「ただの箱」だったルーターやスイッチといったネットワーク機器が、これからはプログラム可能な賢いプラットフォームに変わっていくそうです。
例えば、DPU（データ処理ユニット：ネットワーク機器に搭載される、データ処理を専門に行う賢いチップのこと）を搭載した新しいスイッチが登場しています。これ、すごいんですよ！従来のスイッチ機能に加えて、ファイアウォール（不正アクセスを防ぐ壁の役割）やロードバランシング（仕事の交通整理をして負荷を分散する機能）まで、スイッチ自体に組み込まれちゃうんです。つまり、これまで別の専用機器が必要だった機能が、ネットワークの仕組みそのものに溶け込んでいくイメージですね。
グラフさんは、このDPU搭載スイッチを「プログラム可能なシステム」と呼んでいます。これによって、これまで仮想マシン（コンピューターの中に作られた仮想的なコンピューター）や別のコンテナで動かしていたネットワークサービスを、スイッチ自体から提供できるようになります。さらに、eBPF（イービーピーエフ：OSの心臓部である「カーネル」でプログラムを安全かつ効率的に動かす技術）のような仕組みと組み合わせることで、ファイアウォールやネットワークの分割、状態監視といった古典的なネットワーク運用も、もっと柔軟にコードで管理できるようになるんです。
これまでの「チケット運用」（何か変更をお願いするたびに依頼書＝チケットを発行するやり方）から、「GitOps（ギットオプス）」（プログラムのコードを管理するようにネットワーク設定もGitというシステムで管理する新しいやり方）へと、ネットワーク運用のスタイルも変わっていく、とグラフさんは語っています。
ネットワークのトラブルもAIがお助け？未来のデバッグはこう変わる！
シスコは最近、セキュリティ対策専用のAIモデルや、ネットワーク運用に特化した「AI Canvas」という対話型AIアシスタントも発表しました。なんだか未来感がすごいですよね！
シスコのAI/機械学習担当ディレクター、デビッド・ザックスさんによると、「AIシステムがネットワークエンジニアより賢いわけじゃない。ただ、AIは人間よりもはるかに多くのデータにアクセスできるんだ」とのこと。なるほど！ネットワーク機器から大量のテレメトリー（機器の動作状況や性能に関するデータのこと）を集めて、それをAIが分析（機械推論といいます）し、具体的な対策案を提示してくれる。これが、安定したネットワークを運用するための「当たり前」の技術になりつつあるんですね。
このAIによる分析と改善のサイクルがもっと進んでいくと、いずれソフトウェア開発者のみなさんも、開発段階でこの仕組みを活用するようになるかもしれません。例えば、AIを使ったアプリケーションが実際にネットワーク上でどのように動くのかを事前にシミュレーションしたり、性能が急に落ち込む箇所や処理の詰まり（ボトルネック）を自動で見つけ出したりできるようになるかもしれないんです。これは開発効率がグッと上がりそうですね！
AIのための新しいネットワーク設計？アプリとインフラの境界線がなくなる！
今回のシスコのイベントで繰り返し語られたテーマの一つが、「AIを支えるためには、アプリケーションからインフラまで全てを見直す必要があり、その結果、アプリケーションとインフラの境界線が曖昧になってきている」ということです。
シスコのジーツ・パテル氏によると、「AIモデル（AIの脳みそみたいなものですね）と、それを動かす半導体（シリコン）の両方が、どんどん特注品みたいになってきている」そうです。AIモデルはより小さく、半導体はよりプログラムしやすくなり、開発期間も短縮されています。そして、AIモデル自体がアプリケーションの一部になる。つまり、アプリを改良することは、AIモデルを改良することとほぼ同じ意味になってくるんですね。
このように、アプリのロジック（処理の流れ）とAIの推論ハードウェア（AIが考えるための機械）がギュッと近づくことで、全体の設計思想（アーキテクチャ）を根本から見直す必要が出てきました。AIを使った処理（ワークロード）がスムーズに動くためには、開発者も、AIモデルの設計、ネットワークの通信速度（帯域幅）、そしてAIの推論処理をどこで行うか（推論の配置）がどう影響し合うのかを理解する必要があるんです。
特に、ChatGPTのようなLLM（大規模言語モデル：大量のテキストデータで学習したAI）は、大量のデータをやり取りするので、通信の遅延（レイテンシ）や混雑にとても敏感です。こういう問題って、実際にネットワークに負荷がかかるまで見えにくいことが多いんですよね。
これからのAI開発では、AIの処理の流れをネットワークの構造（トポロジー）に直接マッピングするような考え方が重要になってきます。例えば、AIの仕事を複数の経路に分散させたり（パイプライン並列処理）、ネットワークの状態が良い場所にAIの推論処理を配置したり、AIモデルの部品をあらかじめ計算処理が行われる場所の近くに置いておいたり（キャッシュ）する、といった戦略が話し合われています。
これって、もはや開発者レベルでのインフラ設計ですよね。AIアプリの性能は、もはやGPU（AI計算が得意な半導体）の性能だけでなく、データが「どこで」「どのように」「どれだけ速く」流れるかによって決まる時代になってきたんです。
ついに開発者がネットワークを操る時代がくる？
じゃあ、ソフトウェア開発者がネットワークを直接プログラムでコントロールできるようになる日も近いんでしょうか？
エンタープライズ・ストラテジー・グループのジム・フレイ氏によると、「ネットワークのプログラマビリティ（プログラムで制御できること）は、ネットワーク業界では長年の目標でした」とのこと。「NetDevOps（ネットデブオプス：ネットワーク運用も開発のように自動化する考え方）」という言葉もあるくらい、その実現に向けたコミュニティも活発です。
しかし、「標準的なインターフェース（接続の共通規格）がなかったり、機器メーカー独自の閉じた設計だったりして、その目標達成はものすごく難しかった」とフレイ氏は言います。なかなか進まなかったんですね…。
ところが、AIの登場が、このゲームのルールを変えつつあります。ネットワークインフラのチームも、機器メーカーも、この新しい世界に対応するために、これまでのやり方を見直し、他のインフラ分野と足並みをそろえてプログラマビリティを実現する道を探らざるを得なくなっているんです。
この新しい現実を踏まえると、将来的には、AI開発者が「このアプリにはこれくらいの通信速度と低遅延をください！」と宣言するだけで、ネットワークが自動でそれに応えてくれるような制御（宣言的アクセス）が可能になるという考えも、決して夢物語ではない、とシスコは見ています。
シスコのパトリック・ル・メートル氏は、「私たちはAIを単なる処理対象（ワークロード）としてではなく、プラットフォームそのものとして構築している。それが全てを変えるんだ」と語っています。AIが主役となって、ネットワークのあり方まで変えてしまう。そんな未来がすぐそこまで来ているのかもしれません。
ジョンからのひとこと
いやー、AIって本当にいろんな分野に影響を与えますね！今回はネットワークという、普段あまり意識しないけど超重要なインフラの話でした。でも、こうやってAIが社会の基盤レベルから変革を起こそうとしているのを見ると、ワクワクしませんか？開発者だけでなく、私たちユーザーにとっても、より便利で快適な未来に繋がっていくといいな、と思います。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです：
Cisco Live: AI will bring developer workflow closer to the
network