AIクリエーターの道 ニュース:SalesforceのSlack API変更でLLMデータアクセスがブロック。データ管理への影響とは? #SlackAPI #LLM #Salesforce
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Slackのデータ、AI学習に使えなくなるってホント? Salesforceの方針転換を分かりやすく解説!
こんにちは、AIとテクノロジーの世界を、あなたの隣で解説するジョンです!皆さんは、お仕事で「Slack(スラック)」を使っていますか?今や多くの会社で、日々の連絡や情報共有に欠かせないツールになっていますよね。そんなSlackに、ちょっと大きな変化があったので、今日はそのニュースをピックアップしてお届けします。なんと、Slackを運営するSalesforce(セールスフォース)という会社が、「Slackに保存されているデータを、AI(人工知能)の学習に使うことを一部制限しますよ」と発表したんです。「え、どういうこと?うちの会社のSlackデータ、AIで活用できなくなるの?」と不安に思った方もいるかもしれません。大丈夫、この記事を読めばスッキリするはずです。一緒に見ていきましょう!
一体何が変わったの? Slackの新しい「お約束」
今回の変更、かみ砕いて言うと、「Slackの中に溜まっているたくさんの情報(メッセージ、ファイルなど)を、AI、特にLLM(大規模言語モデル)と呼ばれる賢いAIに、まとめてドサッと渡して学習させることが、これからは難しくなりますよ」ということです。
LLM(大規模言語モデル)というのは、最近よく耳にするChatGPT(チャットジーピーティー)なんかが代表例ですね。まるで人間と自然に会話できるAIで、文章を作ったり、質問に答えたり、翻訳したり、いろんなことができます。このLLMを賢くするためには、大量の文章データを読み込ませて「学習」させる必要があるんです。
では、具体的にSlackの何が変わったのか、ポイントを整理してみましょう。
- API利用規約の変更: まず、2024年5月29日に、Slackの「API(エーピーアイ)」に関する利用規約が新しくなりました。APIというのは、ちょっと専門的ですが、「Application Programming Interface」の略で、ソフトウェアやプログラム同士が情報をやり取りするための「窓口」や「接続ルール」みたいなものです。例えば、天気予報アプリが気象庁のAPIを使って最新の天気情報を取得する、みたいな感じで使われます。
- データの一括エクスポート禁止: 新しい規約では、このAPIを使ってSlack内のデータを大量にまとめて取り出すこと(専門用語で「バルクエクスポート」と言います)が、原則として禁止されました。例えば、過去1年分の全チャンネルの会話ログをまとめてダウンロードする、みたいなイメージです。
- LLM学習への利用禁止: そして、これが今回のニュースの核心部分ですが、SlackのAPI経由でアクセスしたデータを、LLMの学習に使うことが明確に禁止されたんです。つまり、「SlackのデータでLLMを賢くするのは、やめてね」ということですね。
Salesforceはこの変更について、「企業内でのデータ検索や情報発見の体験をより良くするための一環」と説明しています。うーん、ちょっと抽象的で分かりにくいかもしれませんね。
じゃあ、これからはSlackのデータ活用はどうなるの?
「えっ、じゃあもうSlackのデータをAIで分析したり、便利に活用したりできなくなっちゃうの?」と心配になりますよね。でも、安心してください。完全に道が閉ざされたわけではないようです。
Salesforceは、今回の変更と合わせて、「Real-Time Search API(リアルタイム検索API)」という新しいAPIを提供し始めています。この新しいAPIを使うと、Slackのプラットフォームの「中で」検索ができるようになるとのこと。つまり、イメージとしては、Slackのデータを外部のAIに丸ごと渡して「お勉強」させるのではなく、Slackという箱の中で、必要な情報をその都度「検索」して見つけ出す、という形での利用を促しているようです。
この新しいAPIのメリットとしては、Slack内で処理が完結するので、セキュリティ面での安心感が増すかもしれません。一方で、外部の高性能なAIと柔軟に連携させたいと考えていた企業にとっては、これまでとは少し勝手が変わってくる可能性がありそうです。
どんな影響があるの? ちょっと注意が必要かも
今回のSalesforce(Slack)の方針転換、実は私たちの働き方や、企業がAIをどう活用していくかに、じわじわと影響を与えるかもしれません。
というのも、最近は多くの企業が、Slackに日々蓄積されていく膨大な量の会話データ、共有されたファイル、プロジェクトの進捗情報などを「宝の山」と捉え、これを活用しようという動きが活発になっているからです。例えば、
- 社内に散らばった情報をAIが整理して、必要な情報をすぐに見つけ出せるようにする社内検索システム
- Slackでの議論や決定事項をAIが自動でまとめて、議事録を作成してくれるツール
- 過去の顧客とのやり取りや問い合わせ対応の履歴をAIに学習させて、新しい問い合わせに自動で回答案を提案してくれるAIチャットボット
といった具合に、社内業務の効率化や新しい価値創出を目指して、自社でAIシステムを開発したり、外部の会社(サードパーティ)が提供するAIアプリを導入したりするケースが増えています。これらのAIの中には、まさにSlackのデータをLLMに学習させて賢くしているものも少なくないはずです。
今回の規約変更によって、そうしたAIアプリやシステムは、これまで通りの方法でSlackのデータを利用できなくなる可能性があります。開発者にとっては、システムの設計やデータの扱い方を見直す必要が出てくるかもしれませんね。利用者側としても、「あれ、今まで使えていたあの便利機能が使えなくなった?」なんてことが起こるかもしれません。
Salesforceはなんでこんな変更をしたの?(ジョンの推測コーナー)
公式発表では「データ検索の改善のため」とされていますが、私ジョンとしては、もう少し深掘りして、いくつかの理由を推測してしまいます(あくまで個人的な見解ですよ!)。
- データセキュリティとプライバシー保護の強化: 企業にとってSlack上のデータは、機密情報や個人情報を含むことも多いですよね。これらの大切な情報が、意図しない形で外部のAIに学習データとして渡ってしまい、情報漏洩やプライバシー侵害につながるリスクを未然に防ぎたい、という考えがあるのかもしれません。最近は、「AIに何でもかんでも学習させて大丈夫なの?」という声も世界的に高まっていますから、そうした流れを汲んだ動きとも言えそうです。
- 自社AIプラットフォームへの誘導: Salesforceは、「Einstein AI(アインシュタインエーアイ)」という強力な独自のAIプラットフォームを持っています。Slackのデータを活用した高度なAI機能は、このEinstein AIを通じて提供し、自社のエコシステム(経済圏)の中でユーザーに価値を提供していきたい、という戦略的な思惑もあるのかもしれません。つまり、「Slackのデータを使ったすごいAI機能は、うち(Salesforce)のAIでどうぞ!」ということですね。
- データの価値のコントロール: Slackに蓄積されるデータは、それ自体が非常に価値の高いものです。このデータの利用方法や範囲を自社でコントロールすることで、プラットフォームとしての価値を維持・向上させたいという狙いもあるのではないでしょうか。
これらの理由が複合的に絡み合っているのかもしれませんね。
ジョンからのひとこと
今回のSlackの規約変更は、単なる一企業のポリシー変更というだけでなく、AI技術が急速に進化し、私たちの仕事や生活に深く浸透してくる中で、企業が「自社のデータ」とどう向き合い、どう活用していくべきか、という大きな課題を改めて浮き彫りにしたように感じます。利便性を追求すること、セキュリティを確保すること、そして自社のビジネス戦略を推進すること。これらの要素のバランスをどう取るか、多くの企業が今まさに模索している最中なのでしょう。
私たちユーザーとしては、こうしたテクノロジー企業の動向にアンテナを張りつつ、自分たちが日々利用しているツールやサービスにおいて、自分たちのデータがどのように扱われているのか、少し立ち止まって考えてみる良い機会かもしれませんね。便利な世の中になるのは大歓迎ですが、その裏側で何が起きているのかを知っておくことは、とっても大切だと思います!
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
Salesforce changes Slack API terms to block bulk data access
for LLMs