うつ病が長引くのはナゼ?研究が示す「思考のクセ」の意外な影響
こんにちは、ジョンです!「心の風邪」とも言われるうつ病、なかなかスッキリしない…と悩んでいる方もいるかもしれません。実は、その背景には私たちの「思考のクセ」が隠れているかもしれないんです。今回は、うつ病と「思考のクセ」の関係について、最新の研究を交えながら、分かりやすくお話ししますね。
「思考のクセ」ってなんだろう?
「思考のクセ」とは、心理学の言葉で「メンタルバイアス」とも呼ばれます。簡単に言うと、物事の捉え方や考え方に、いつの間にか生まれてしまうちょっとした偏りのことです。誰にでもあるものなんですよ。「バイアス」と聞くと難しそうですが、「色眼鏡」とか「思い込み」に近いイメージですね。
例えば、いつも同じ道を通って会社に行くとか、好きな食べ物はつい同じものを選んでしまうとか、そんな日常の小さな選択も、ある種の「クセ」ですよね。心の働きにも、似たような「クセ」があるんです。
うつ病の時には、この「思考のクセ」が、ちょっと困った方向に働きやすくなることがあります。まるで、色のついたサングラスをかけて世界を見ているような状態をイメージしてみてください。もしグレーのサングラスをかけていたら、どんなに晴れた日でも、なんだか世の中がどんより見えてしまいますよね。もし、いつも『自分はダメ人間だ』という色のサングラスをかけていたら、たとえ何か成功しても、その中のほんの小さなアラばかりが見えたり、『これは運が良かっただけだ』と感じてしまったりして、自分の力だとはなかなか思えないかもしれません。それと似たようなことが、心の中でも起こりうるんです。
具体的には、こんな「思考のクセ」がうつ病の時に見られやすいと言われています:
- ネガティブフィルター:良いことよりも悪いことばかりに目が行ってしまう。「今日の会議、発表はうまくいったけど、一箇所だけ言い間違えちゃった…やっぱりダメだ」みたいに、良かった点よりも些細なミスを大きく捉えてしまうクセです。
- 過度な一般化:たった一度の失敗を「いつもこうだ」「どうせ何をやってもダメなんだ」と、全てのことに当てはめて考えてしまうクセ。「一度デートに失敗したら、もう誰ともうまくいかないんだ」と思い込むような感じです。
- 白黒思考(オールオアナッシング思考):物事を「完璧か、全くダメか」「0点か100点か」のように、極端に判断してしまうこと。「少しでもミスしたら、全部失敗だ」と感じやすく、中間の「まあまあ良かった」という評価がしにくい状態です。
- 個人化:自分に関係ないことまで「自分のせいだ」と思い込んでしまうこと。例えば、友達の機嫌が悪いのを見て「私が何か悪いことしたかな…」と、直接的な原因がないのに自分を責めてしまうなど。
- 心の読みすぎ(マインドリーディング):十分な根拠がないのに、他人が自分に対して否定的に考えていると思い込むこと。「あの人はきっと私のことを面白くないと思っているに違いない」などと、相手の心をネガティブに決めつけてしまいます。
これらの「クセ」は、一つだけでなく複数重なっていることもあります。そして、無意識のうちに繰り返されてしまうのが特徴です。
「思考のクセ」がうつ病を長引かせるメカニズム
では、これらの「思考のクセ」が、どうしてうつ病を長引かせてしまうのでしょうか?
それは、「思考のクセ」がネガティブな感情や考えを、雪だるま式に大きくしてしまうからです。例えば、ネガティブフィルターのクセがあると、日常生活の中で起きた小さな良いことには気づきにくく、悪いことばかりが心に残りやすくなります。すると、「やっぱり自分はダメなんだ」「良いことなんて何もない」という気持ちが強くなってしまいますよね。
これが繰り返されると、まるで脳の中に「ネガティブ思考ハイウェイ」ができてしまうようなもの。一度そのハイウェイに乗ってしまうと、なかなか抜け出せず、どんどんネガティブな方向に進んでいってしまいます。このネガティブ思考ハイウェイは、使えば使うほど道が太く、頑丈になっていきます。新しいポジティブな考えは、まるで舗装されていない細い脇道を行こうとするようなもので、難しくて慣れない感じがするため、ついつい慣れたハイウェイに戻ってしまいがちです。こうして、うつ病のつらい症状から抜け出しにくくなる、という悪循環(悪いことの繰り返し)が生まれてしまうことがあるんです。
つまり、うつ病そのものの症状に加えて、こうした「思考のクセ」が、回復を妨げる一つの大きな壁になっている可能性がある、と研究は示唆しているんですね。気分が落ち込んでいる時は特に、こうしたクセが出やすくなり、さらに気分を落ち込ませる…というループにはまってしまうのです。
じゃあ、どうすればいいの?
「思考のクセ」は、長年かけて無意識のうちに身についたものなので、すぐに変えるのは難しいかもしれません。でも、大丈夫。少しずつ意識していくことで、その影響を和らげることができるかもしれません。焦らず、一歩ずつ進んでいきましょう。
まず大切なのは、「あ、今、自分はこんな風に考えているな」と、自分の「思考のクセ」に気づくことです。これが第一歩。例えば、「また『どうせダメだ』って思っちゃったな」「これは白黒思考かもしれない」と客観的に気づくだけでも大きな進歩です。自分の考えを少し離れたところから観察するようなイメージですね。
次に、その考えに対して、「本当にそうなのかな?」「他の考え方はないかな?」と、優しく問いかけてみるのも良いかもしれません。100%そうだと断定できることは、意外と少ないものです。例えば、「全部失敗しちゃった」と思った時、「本当に“全部”ダメだったかな?何か一つでも、うまくいったことや、マシだった部分はなかったかな?この状況を親しい友達が見たら、なんてアドバイスしてくれるだろう?」と自問してみるのです。すぐに答えが出なくても大丈夫。問いかけること自体が大切です。
そして、日々の生活の中で、小さな「できた!」や「良かったこと」を見つける練習をするのもおすすめです。どんなに小さなことでも構いません。「今日は朝、ちゃんと起きられた」「天気が良くて気持ちよかった」「コンビニの店員さんが親切だった」など、スルーしてしまいがちなポジティブな側面に光を当てるイメージです。ベッドを整える、5分だけ散歩する、好きな歌を1曲聴く、といった本当にささやかなことでいいのです。一つ一つの小さな行動や発見が、心の栄養になることもあります。
もちろん、こうしたセルフケアだけで全てが解決するわけではありません。うつ病は専門的な治療が必要な場合が多いです。つらい気持ちが続く場合は、決して一人で抱え込まず、専門医やカウンセラーなど、信頼できる専門家に相談することがとても大切です。専門家は、こうした「思考のクセ」への対処法(認知行動療法など、専門的なアプローチがあります)も含め、あなたに合ったサポートを一緒に考えてくれます。
(この記事は情報提供を目的としており、医学的なアドバイスではありません。心身の不調については、必ず専門医にご相談ください。)
ジョンの一言
今回のテーマ、「思考のクセ」は、僕自身もハッとさせられることが多いです。知らず知らずのうちに、物事を一方向からしか見ていなかったりすることって、誰にでもありますよね。特に疲れている時やストレスが溜まっている時は、視野が狭くなりがちです。自分の「クセ」に気づいて、少し視野を広げるだけで、気持ちが楽になることもあるかもしれません。ゆっくり、自分のペースで向き合っていくことが大切ですね。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
Research Reveals A Key Reason Depression Is So Hard To Beat