AIは文章を作れるけど、ジャーナリズムは作れない?その違いを徹底解説!
こんにちは、AI技術をわかりやすく解説するブログライターのジョンです!
最近、「AIが記事を書いた」「AIが小説を執筆した」なんてニュースをよく耳にしますよね。文章や画像などを自動で作り出す生成AI(ジェネレーティブAI)の進化は本当に驚くべきものです。これだけすごいと、「もしかして、もう新聞記者やライターのような人間の仕事はなくなっちゃうの?」と心配になる方もいるかもしれません。
でも、ちょっと待ってください。実は、AIが作る「コンテンツ」と、人間が行う「ジャーナリズム」の間には、とてつもなく大きな壁があるんです。今回は、この二つの違いは何か、そしてAIとジャーナリズムはこれからどう付き合っていくべきなのかを、誰にでもわかるように、じっくりお話ししていきたいと思います。
AIが得意な「コンテンツ」って何?
まず、AIがとっても得意な「コンテンツ」作りについて見ていきましょう。
ここで言う「コンテンツ」とは、すでに世の中にある情報をもとにして、新しく文章やリストなどを作ることを指します。例えるなら、たくさんの資料を渡されて「これを要約してレポートにまとめて」と頼まれた、ものすごく優秀なアシスタントのようなものです。
具体的には、AIはこんな作業が得意です。
- 長い会議の議事録や、難しい研究論文を短く要約する。
- 「東京のおすすめカフェ10選」のようなリスト記事を作成する。
- 企業が発表したプレスリリース(お知らせ)を、別の言葉で書き直す。
これらはすべて、元になる情報が存在していて、それを加工したり、まとめ直したりする作業です。AIは膨大なデータを学習しているので、この種のタスクは人間よりも速く、正確にこなせる場合があります。しかし、重要なのは、これらは「すでにあるもの」からしか生み出せないということです。ゼロから何かを発見するわけではないんですね。
一方、人間が担う「ジャーナリズム」とは?
では、「ジャーナリズム」はどうでしょうか。ジャーナリズムは、単に記事という「モノ」を作るだけではありません。それは、真実を明らかにするための一連の「プロセス」そのものを指します。
このプロセスには、AIには決して真似できない、人間ならではの重要な要素がたくさん詰まっています。
独自の視点と取材
ジャーナリズムの出発点は、「これってどうなってるんだろう?」という疑問や、まだ誰も知らない事実を見つけ出すことです。そして、その答えを探すために、実際に現場に足を運んだり、関係者に直接話を聞いたり(取材)します。AIは、自分の足で歩いて誰かにインタビューすることはできませんよね。このオリジナルの情報収集こそが、ジャーナリズムの核となる部分です。
裏付けと事実確認(ファクトチェック)
ジャーナリストは、集めた情報が本当に正しいかどうかを徹底的に確認します。複数の情報源を比較したり、証拠を探したりして、情報の精度を高めていくのです。一方、AIには「ハルシネーション」(幻覚という意味で、AIがもっともらしいウソの情報を平気で生成してしまう現象)という弱点があります。AIは「何が事実か」を理解しているわけではなく、単に「次に来そうな言葉」を予測しているだけなので、間違った情報をさも事実であるかのように書いてしまう危険性があるのです。
倫理観と責任
ジャーナリズムには、守るべき倫理規定があります。そして何より、書いた記事には書いた本人や所属する報道機関が責任を持ちます。もし間違いがあれば訂正し、謝罪します。この「責任の所在」が非常に重要です。では、AIが書いた記事に間違いがあった場合、誰が責任を取るのでしょうか?AI自身は責任を取れません。この「説明責任」や「倫理観」は、人間にしか持ち得ないものなのです。
深い洞察と分析
優れたジャーナリズムは、ただ事実を並べるだけではありません。「この出来事は、私たちの社会にどういう意味を持つのか?」「なぜこのようなことが起きたのか?」といった、物事の背景にある文脈や本質を読み解き、読者に深い洞察を与えます。これには、社会経験や共感、批判的な思考力が必要であり、現在のAIには難しい領域です。
AIはジャーナリストの「敵」ではなく「相棒」
ここまで聞くと、「AIはジャーナリズムの役には立たないのか」と思ってしまうかもしれませんが、そんなことはありません。AIはジャーナリストの仕事を奪う「敵」ではなく、仕事を助けてくれる「強力な相棒(アシスタント)」になり得ます。
例えば、こんな風に活用できます。
- 何時間にもわたるインタビューの音声を自動で文字起こしする。
- 膨大な量の公文書やデータをAIに読み込ませ、その中から特定のパターンや異常な数値を見つけ出してもらう。
- 記事のタイトル案をいくつか出してもらい、インスピレーションを得る。
このように、時間のかかる面倒な作業をAIに任せることで、ジャーナリストは、取材や分析といった、より人間らしい創造的な仕事に集中できるようになります。AIを「使う」側になることが大切なのです。
まとめと僕の考え
いかがでしたでしょうか。AIが作る「コンテンツ」と人間が築く「ジャーナリズム」の違いが、少しでも伝わったら嬉しいです。簡単にまとめると、AIは既存の情報を処理するのは得意ですが、ジャーナリズムという信頼性や責任を伴うプロセスは実行できない、ということです。
僕自身、こうしてテクノロジーに関する文章を書いていますが、AIは最高の調査アシスタントです。でも、どの情報をどう繋げて、どんな言葉で読者の皆さんに届けたいか、という最終的な意思決定は、すべて僕自身が行っています。テクノロジーはあくまで道具であり、それをどういう目的で、どういう責任感を持って使うかという「人間」の部分が、結局一番大事なんだなと改めて感じますね。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
AI can create content but not journalism