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クラウドオブザーバビリティコストを削減する6つのテクニック

6 Ways to Slash Your Cloud Observability Costs

クラウドの「監視コスト」、いつの間にか高くなっていませんか?今日からできる6つの節約術

こんにちは、AI技術ブロガーのJonです!

最近、多くの企業が「クラウド」という、インターネット上の巨大なコンピューターを借りてサービスを動かしています。とても便利なのですが、そのクラウド上で動いているシステムがちゃんと元気にしているか、常に「監視」しておく必要があります。これを専門用語で「クラウドの可観測性(Observability)」と呼んだりします。

これは、車のダッシュボードに表示される速度やガソリン残量、エンジンの警告灯のようなもの。これがないと、何か問題が起きても気づけず、大変なことになってしまいますよね。でも、この監視、実は結構お金がかかるんです。「気づいたら、監視コストがこんなに膨れ上がっていた…」なんてことも少なくありません。

そこで今回は、システムの健康状態をしっかり見守りつつ、監視にかかるコストを賢く節約するための6つのテクニックを、専門知識がなくても分かるように、やさしく解説していきます!

そもそも、なぜ監視コストは高くなるの?

節約の話をする前に、まずは「なぜコストがかかるのか」を簡単に見てみましょう。主な原因はこんな感じです。

  • データの「量」が多すぎる:システムからは「ログ」(システムの行動記録)や「メトリクス」(CPU使用率などの数値データ)といった情報が絶えず送られてきます。この量が増えれば増えるほど、料金も上がっていきます。
  • データを「保存しておく期間」が長すぎる:古いデータをいつまでも大量に保存しておくと、その分だけ保管料がかさんでしまいます。
  • データの「種類」が細かすぎる(高カーディナリティ):データに付ける「ラベル」の種類が多すぎると、組み合わせが爆発的に増えてデータ量が膨れ上がります。例えば、「東京の20代男性ユーザーのエラー」のように、条件が細かすぎるといったイメージです。
  • 「使わないデータ」まで集めている:後から見返すこともない、ただ集めているだけのデータは、コストの無駄遣いになってしまいます。
  • 監視ツールが「バラバラ」:あちこちで違う監視ツールを使っていると、同じようなデータを二重に集めてしまったり、管理が大変になったりして、余計なコストが発生します。
  • チームの「コスト意識」が低い:開発チームが「どれくらいお金がかかるか」を意識せずに、どんどん監視設定を追加してしまうケースです。

これらの原因を知っておくだけでも、どこを改善すればいいか見えてきますね。

賢く節約!クラウド監視コストを削減する6つのテクニック

それでは、いよいよ具体的な節約術を見ていきましょう!

テクニック1:データの「入口」で量を絞る

最も効果的なのが、そもそも送るデータの量を減らすことです。「本当に必要なデータだけ」を送るように心がけましょう。

  • いらないログは捨てる:開発中にだけ使うような詳細すぎるログや、重要でないサービスのログは、最初の段階で除外してしまいましょう。
  • 重要な指標に絞る:ユーザー体験に直接影響する「ページの表示速度」や「エラーの発生率」など、本当に見るべき指標に集中します。あまり価値のない指標の収集はやめましょう。

  • データ収集の「間隔」を調整する:10秒ごとにデータを集める必要はありますか?もしかしたら、60秒ごとでも十分かもしれません。この間隔を少し長くするだけで、データ量を大幅に減らせます。
  • サンプリングを活用する:大量のデータすべてを記録するのではなく、例えば「100件に1件だけ記録する」といったように、一部を抜き出して記録する「サンプリング」も有効です。これでも全体の傾向は十分に把握できます。

テクニック2:賢い「データ保存ルール」を作る

データの「捨て方」も重要です。データによって「寿命」を決めてあげましょう。

  • 保存場所を分ける:頻繁に見る直近のデータ(例:過去30日分)はすぐに取り出せる場所に、あまり見ない古いデータは料金の安い「倉庫」のような場所(Amazon S3 Glacierなど)に移動させましょう。これを「階層型ストレージ」と呼びます。
  • データの種類ごとに保存期間を変える:すぐに原因調査が必要なエラーログは数日で十分かもしれませんが、法律で保存が義務付けられている監査ログなどは数年間保存する必要があります。このように、データの性質に合わせて期間を設定するのがコツです。
  • 自動で整理する仕組みを作る:「30日経ったら自動で安いストレージに移動し、1年経ったら削除する」といったルールを自動化しておけば、管理の手間もかかりません。

テクニック3:リソースの「ムダ」をなくす

監視ツールは、実はインフラの無駄遣いを見つけるのにも役立ちます。

  • 使われていないリソースを見つける:監視データを見て、「全然使われていないサーバー」や「いつも暇そうなデータベース」を見つけたら、停止したり、もっと小さいサイズのものに変更したりして節約しましょう。
  • 自動でサイズ調整(オートスケーリング):アクセスが少ない夜間はサーバーの台数を自動で減らし、アクセスが増える日中は自動で増やす、といった設定をしておけば、常に最適なリソース量で運用でき、無駄な支払いがなくなります。

テクニック4:色々なツールを「賢く使い分ける」

一つの高価なツールにすべてを頼るのではなく、用途に応じてツールを使い分けるのも賢い方法です。

  • オープンソースを活用する:Prometheus(プロメテウス)やGrafana(グラファナ)といった無料で使えるオープンソースのツールを自分たちで運用すれば、ライセンス費用を節約できます。(ただし、運用の手間はかかります)
  • ハイブリッドで使う:会社の心臓部となる最重要システムは高機能な有料ツールでしっかり監視し、それ以外の部分はクラウド事業者が提供する標準ツール(AWS CloudWatchなど)やオープンソースを使う、といった使い分けも効果的です。

テクニック5:チームに「コスト意識」を根付かせる(FinOps)

技術的な対策だけでなく、チームの「文化」を変えることも大切です。これをFinOps(フィンオプス)と呼び、財務(Finance)と開発運用(DevOps)を組み合わせた考え方です。

  • コストを「見える化」する:どのチームがどれくらいコストを使っているのかを明確にし、各チームに共有します。これにより、「自分たちの行動がコストに繋がっている」という当事者意識が生まれます。
  • 予算とアラートを設定する:チームごとに予算を設定し、それを超えそうになったらアラートが鳴るようにしておけば、使いすぎを防げます。
  • 定期的に見直し会を開く:月に一度、みんなでコストの状況を確認し、「もっと節約できるところはないか?」と話し合う機会を作りましょう。

テクニック6:「AIの力」を借りる

最近では、AIや機械学習(ML)を使って、さらに賢くコストを最適化することも可能になってきています。

  • 異常検知:AIが「いつもよりデータの量が急増している」といった異常を自動で検知し、設定ミスや問題の早期発見に繋げてくれます。
  • コスト予測:過去のデータから、将来のコストがどれくらいになるかをAIが予測。事前に予算計画を立てるのに役立ちます。

クラウドの監視は、ただやみくもにデータを集めれば良いというわけではありません。今回ご紹介したように、データの入口から出口、そしてチームの文化に至るまで、様々な角度から「本当にそれは必要か?」と問い直すことが、コスト削減への一番の近道です。

私も昔は「とりあえず全部のデータを集めておけば安心」と考えていた時期がありましたが、後から見返すことのないデータの山に埋もれてしまった経験があります。まずは「一番見ているデータは何か」から整理してみるのが、最初の一歩としておすすめです。

この記事が、皆さんのクラウドコスト削減のヒントになれば嬉しいです!

この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
6 techniques to reduce cloud observability cost

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