メタバース時代の新常識?XR技術をビジネスで使うときの「セキュリティ」超入門
みなさん、こんにちは!ITブロガーのジョンです。最近、「メタバース」や「VR」といった言葉をニュースでよく見かけるようになりましたよね。ゲームやエンタメの世界だけでなく、実は多くの会社が仕事にこの技術を使い始めています。でも、新しい技術には新しい「落とし穴」もあるんです。今回は、多くの企業が今まさに直面している「XRのセキュリティ」という、ちょっと難しいけれどとても大切なテーマを、誰にでも分かるようにやさしく解説していきますね!
そもそも「XR」って何?
まず、話の基本となる「XR」という言葉から説明しましょう。XR(エックスアール)は、VRやARといった技術の総称です。ちょっと混乱しますよね?一つずつ見ていきましょう。
- VR(仮想現実):専用のゴーグルをかけると、目の前が完全にゲームやCGの世界に変わる技術です。まるでその世界に入り込んだような体験ができます。
- AR(拡張現実):スマホのカメラなどを通して現実の風景を見ると、そこにキャラクターや情報が浮かび上がって見える技術です。「ポケモンGO」がまさにこれですね!
- MR(複合現実):ARがさらに進化したもので、現実世界に現れたデジタルの物体を、まるでそこにあるかのように手で触ったり動かしたりできます。
そして、これら全部をまとめてXR(クロスリアリティ)と呼んでいます。最近の企業は、このXR技術を使って、遠く離れた場所にいる人たちと仮想空間で会議をしたり、新入社員の研修をリアルなシミュレーションで行ったりしているんですよ。
なぜXRのセキュリティがそんなに大事なの?
「セキュリティ」と聞くと、パソコンのウイルス対策や、パスワードの管理を思い浮かべる人が多いかもしれません。もちろんそれも大事ですが、XRの世界では、これまでとは全く違う種類の情報が狙われる危険があるんです。
XRデバイス、特にゴーグル型のものは、私たちが思っている以上にたくさんの情報を集めています。例えば、こんな情報です。
- 視線の動き:あなたが仮想空間のどこを、どれくらいの時間見ていたか。
- 手の動きやジェスチャー:あなたがどんな風に手を動かしたか。
- 声のデータ:仮想空間での会話。
- いる場所の空間データ:デバイスが認識した、あなたの部屋の広さや家具の配置。
これらは生体認証データ(せいたいにんしょうデータ、指紋や顔認証のように、その人固有の身体的な特徴を使ったデータのこと)に近い、とてもプライベートな情報です。もし、こうした情報が悪い人の手に渡ってしまったらどうなるでしょうか?
例えば、仮想空間で行われる会社の秘密の会議。もし誰かがこっそり侵入して会話を盗み聞きしたり、参加者のフリをしてウソの情報を流したり(これを「なりすまし」と言います)したら、大変なことになりますよね。また、製造業の会社が作った工場のリアルな仮想モデルが盗まれれば、会社の重要なノウハウが丸ごと流出してしまうかもしれません。
じゃあ、企業はどうやって安全を守ればいいの?
XR技術を安全に使うために、企業は今、さまざまな対策を考え始めています。専門家たちが「こうした方がいいよ」とアドバイスしている主なポイントは以下の通りです。
- しっかりとした本人確認:仮想空間に入るときに、IDとパスワードだけでなく、スマホに送られてくる確認コードも入力する「多要素認証(たようそにんしょう)」などを導入して、本人以外が入れないようにします。
- データの暗号化(あんごうか):やり取りされる会話や映像などのデータを、関係者以外には意味不明な文字の羅列に見えるように変換することです。これをしておけば、万が一データが盗まれても中身を読まれる心配がありません。
- 利用ルールの策定:社員がXRデバイスをどういう場面で、どのように使うべきか、会社としてしっかりとしたルールを作ります。例えば、「会社の外にデバイスを持ち出してはいけない」といったルールです。
- 社員教育:どんな危険があるのか、どうすれば安全に使えるのかを、実際に使う社員一人ひとりが理解することが何より大切です。
このように、便利な技術を安心して使うためには、しっかりとした準備と対策が必要不可欠なんですね。
筆者ジョンからのひとこと
僕たちが「セキュリティ」と聞いて想像するのはパソコンやスマホの世界でしたが、これからは仮想空間での自分自身のアバターや、自分の動きそのものも守るべき対象になるんですね。新しい技術の進化はワクワクしますが、同時に「自分の情報は自分で守る」という意識を、これまで以上に持つことが大切になってくるなと感じました。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
The Masterclass in XR Security for Enterprises: Building
Trust in Virtual Spaces