将来の自分が絶対感謝する!開発者が知っておきたいデータベース設計のヒント
こんにちは、AI技術ブロガーのジョンです!
ソフトウェアを開発していると、最初はキレイでスッキリしていたはずのコードが、いつの間にか「一体何を考えてこんな作りになったんだ…」と頭を抱えるような状態になってしまうこと、ありますよね。これは「コードの劣化」なんて呼ばれたりもしますが、避けられない現象の一つです。
でも、だからといって諦めてはいけません。特に見過ごされがちですが、この「コードの劣化」との戦いで非常に重要なのが「データベース設計」の領域です。データベースは、アプリやサービスが扱う大切なデータを保管しておく、いわば「デジタルな巨大な整理棚」のようなもの。この整理棚の作り方が悪いと、後々大変なことになるんです。
この記事では、データベース設計の大きなルールというよりは、つい見落としがちだけど実はとても大切な「小さくても重要なルール」を、初心者の方にも分かりやすく解説していきますね。
ちなみに、もしあなたがデータベース設計をこれから始めるなら、「データベースの正規化」という考え方だけは必ず学んでおいてください。これは、データを効率的に、無駄なく矛盾なく整理するための基本中の基本ルールです。これを知らずに設計を始めるのは、とても危険ですよ!
基本が大事!分かりやすさのための命名ルール
まずは、後から誰が見ても、そして未来の自分が見ても分かりやすいデータベースを作るための「名前の付け方」に関するルールです。
1. すべてのテーブルに「ID」フィールドを用意する
データベースの各テーブル(データの種類ごとの表)には、データを一つ一つ区別するためのユニークな番号が必要です。これを主キー(プライマリーキー)と呼びますが、学校の生徒一人ひとりに割り振られる「学籍番号」のようなものだと考えてください。
この主キーのフィールド名は、シンプルに「ID」と命名するのがおすすめです。「CustomerID」や「OrderID」のように具体的な名前にするのではなく、ただ「ID」とするのです。このIDは、新しいデータが追加されるたびに自動で番号が増えていく「自動採番」の整数にするのが一般的です。
2. テーブル名やフィールド名にスペース(空白)を使わない
これは絶対に守ってほしいルールです。テーブル名やフィールド名にスペースを入れると、後でデータを操作するときに毎回クォーテーションマーク(” “)で囲む必要が出てきたりして、非常に面倒です。忘れるとエラーの原因にもなります。「百害あって一利なし」なので、スペースは絶対に使わないようにしましょう。
ちなみに、元記事の筆者は「_」(アンダースコア)も使わないことを強く推奨しています。これも好みは分かれますが、命名規則はチームやプロジェクトで統一することが大切ですね。
3. テーブル名は「複数形」にする
これも議論が分かれる点ですが、強くおすすめしたいのがテーブル名を複数形にすることです。例えば、顧客の情報を入れるテーブルなら「Customer」ではなく「Customers」とします。
なぜなら、テーブルは通常「一つのもの」ではなく「たくさんのものの集まり」を表しているからです。「Orders」という単語を見れば、それが注文データがたくさん入った「テーブル」のことだと直感的に分かります。もし「Order」という単数形にしてしまうと、それがテーブル全体を指しているのか、テーブルの中の一つの注文データを指しているのか、紛らわしくなってしまうのです。
4. 外部キーは「テーブル名 + ID」で分かりやすく
先ほど「ID」の話をしましたが、ここでそのルールが生きてきます。テーブル同士を関連付けるために使うキーを外部キーと呼びます。例えば、「Orders」(注文)テーブルの中に、どの顧客からの注文かを示すために「Customers」(顧客)テーブルへの参照を入れたいとします。
その場合、フィールド名は「CustomerID」とします。このように「(参照先テーブルの単数形) + ID」というルールで統一しておけば、このフィールドがどのテーブルのどのデータを指しているのかが一目瞭然になります。
性能とデータの安全性を守るためのルール
次に、データベースのパフォーマンスを良くし、データの食い違いなどが起きないようにするためのルールを見ていきましょう。
5. 検索で使う項目には「インデックス」を設定する
インデックスとは、分厚い本の巻末にある「索引」のようなものです。索引があれば特定の単語がどのページにあるかすぐに見つけられますよね。データベースのインデックスも同じで、特定のデータを高速で探し出すために使います。
検索条件(WHERE)、テーブル結合(JOIN)、並べ替え(ORDER BY)などで頻繁に使うフィールドには、必ずインデックスを設定するようにしましょう。これを怠ると、データが増えてきたときにシステムの動作が極端に遅くなる原因になります。
6. 「参照整合性」は絶対に使う
参照整合性とは、テーブル間の関連付けをデータベース自身がしっかり監視し、データの「つじつま」が合わなくなるのを防いでくれる機能です。例えば、「存在しない顧客IDを持つ注文データ」が作られないようにしたり、顧客データを削除したらその顧客の注文データも一緒に削除したりするルールを設定できます。
この機能は、自分で作ったプログラム側で管理しようとせず、データベースが持っている機能を積極的に使いましょう。データの整合性を保つための、非常に強力な味方です。
データベースと上手に付き合うためのヒント
最後に、データベースをより効果的に活用するための考え方や、その他のヒントをいくつか紹介します。
- SQLをコードに直接埋め込まない:SQL(データベースと対話するための言語)をプログラムのコードの中に直接書き込むと、後々の修正が大変な「スパゲッティコード」になりがちです。SQLは別のファイルとして管理し、コードとデータベースが密結合しすぎないようにしましょう。
- 仕事はデータベースに任せる:データの扱いは、私たちが考えるよりも遥かにデータベース自身の方が得意です。データベースができることは、なるべくデータベースに任せるのが賢いやり方です。
- 正しいデータ型を使う:日付のデータに文字列型を使ったり、Yes/Noを表すのに数値型を使ったりせず、それぞれのデータに最も適した「型」を選びましょう。
- 作成日時と更新日時を追加する:すべてのテーブルに「CreatedAt」(作成日時)と「UpdatedAt」(更新日時)のフィールドを追加しておくことを強く推奨します。後から「このデータはいつ作られたんだっけ?」と調べたくなったときに、必ず役立ちます。
筆者より一言
今回ご紹介したルールは、一つひとつは些細なことに見えるかもしれません。しかし、家を建てるときに土台が重要なように、データベース設計におけるこれらの基本ルールは、将来のシステムの安定性やメンテナンスのしやすさを大きく左右します。最初にしっかりとしたルールを決めてそれを守り抜くことが、未来の自分を助ける一番の近道ですよ。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
Database design tips for developers