マイクロソフト.NET 10の最新情報！プレビュー6で何が変わった？初心者向けにやさしく解説
こんにちは、IT技術をやさしく解説するブログライターのジョンです！
今回は、たくさんのアプリやサービスの土台となっているマイクロソフトの技術「.NET（ドットネット）」の最新情報についてお届けします。
2024年11月に正式リリースが予定されている次期バージョン「.NET 10」ですが、その一足先に新機能を試せる「プレビュー版」が公開されています。そして先日、6番目となる「プレビュー6」が発表されました！
「プレビュー版って何？」と思う方もいるかもしれませんね。これは、正式公開前の「お試し版」のようなもので、開発者たちはこれを使って新機能をいち早く体験したり、フィードバックを送ったりするんです。
では、この「.NET 10 プレビュー6」で、どんな面白い新機能が追加されたのか、専門用語をかみ砕きながら見ていきましょう！
アプリの動作がもっと速く！JITコンパイラの進化
まず注目したいのが、アプリのパフォーマンス（動作速度）を向上させるための改善です。その中心にいるのが「JITコンパイラ」という仕組みです。
JITコンパイラとは、プログラムを実行するその瞬間に、コンピューターが理解できる言葉（機械語）へと翻訳してくれる、賢い「通訳さん」のようなものです。この通訳さんが賢くなればなるほど、プログラムはスムーズに、そして速く動くようになります。
今回のプレビュー6では、このJITコンパイラに2つの大きな改善が加えられました。
- 構造体（struct）引数のコード生成が改善
「構造体」とは、プログラムの中で関連するデータをひとまとめにしておくための小さな箱のようなもの。今回の改善で、JITコンパイラがこのデータ入りの箱をより効率的に扱えるようになり、結果としてプログラムの動作が速くなります。 - ループ反転の改善
「ループ」とは、プログラムの中で同じ処理を何度も繰り返すことです。この繰り返しの処理をより効率的な形に組み替える「ループ反転」という技術が改善されました。これにより、他の最適化技術も効果を発揮しやすくなり、さらなるパフォーマンスアップにつながります。
インストール不要！便利なツール実行方法が登場
開発者にとって、とても嬉しい新機能が「1回限りのツール実行」です。
これまでは、開発に使うちょっとした便利ツール（.NETツール）を利用するには、自分のパソコンに「インストール」する必要がありました。しかし、新しいコマンド（dotnet tool exec）を使えば、ツールをインストールすることなく、直接実行できるようになります。
これは、まるでスマホにアプリをインストールしなくても、Webブラウザ上で一時的に使えるサービスのような感覚です。特に、ソフトウェアを自動でテストしたりビルドしたりする「CI/CD」という環境や、一時的にツールを使いたいだけ、という場合に非常に役立ちます。
安全性アップ！JSONデータの重複を防ぐ新機能
「JSON（ジェイソン）」という言葉を聞いたことがあるでしょうか？これは、ウェブサービスなどでデータをやり取りする際によく使われる、シンプルなデータ形式です。
実は、これまでのJSONのルールでは、データを受け取った際に同じ項目が複数あった場合にどう処理すべきか、明確に決まっていませんでした。この曖昧さが、時としてセキュリティ上の弱点になったり、予期せぬエラーの原因になったりすることがあったのです。
そこで今回、JSONデータをプログラムで読み込む際（これを「デシリアライズ」と呼びます）に、重複した項目を許可しないようにするオプションが追加されました。これにより、より安全で安定したアプリケーションを作れるようになります。
まだまだある！その他の便利なアップデート
プレビュー6には、他にもたくさんの改善点が含まれています。いくつかピックアップしてご紹介しますね！
- ツールのクロスプラットフォーム対応が簡単に： 開発者は、Windows、macOS、Linuxなど、異なるOSで動くツールを1つのパッケージにまとめて配布しやすくなりました。
- ファイルから直接実行ファイルを作成： 簡単なプログラムであれば、コマンド一つでWindowsの「.exe」ファイルのような単独で動く実行ファイルを作れるようになりました。
- Blazor（ウェブアプリ開発技術）の進化： ウェブアプリの読み込み速度を上げるための新しい仕組みや、入力フォームのチェック機能が強化されました。
- Windowsアプリの見た目が向上： Windowsデスクトップアプリを作るための技術（WPFやWindows Forms）で、デザインテーマの改善や、人気のダークモード対応がさらに進みました。
- 画面キャプチャから機密情報を守る新機能： 個人情報などを入力するフォームの内容が、スクリーンショットなどで安易に撮影されないように保護する、新しいセキュリティAPIが導入されました。
筆者のひとこと
.NETはバージョンアップのたびに、開発者にとってより使いやすく、安全なツールへと進化しているのが感じられますね。特に、ツールをインストールせずに使える機能は、ちょっとした作業をしたい時にすごく便利そうで、個人的にも早く試してみたいです。11月に予定されている正式リリースが、ますます楽しみになりました！
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです：
.NET 10 Preview 6 brings JIT improvements, one-shot tool
execution