なんだか心がザワザワ…そんな時に。不安をスーッと軽くする「3-3-3ルール」とは?
仕事のプレッシャーや人間関係の悩みで、急に不安な気持ちに襲われたり、頭の中がグルグルしてしまったり…。そんな経験はありませんか?
「落ち着かなきゃ」と思って深呼吸を試してみても、かえってドキドキしてしまうこともありますよね。
今回は、そんな圧倒されそうな瞬間に、誰でもすぐに実践できる「3-3-3ルール」という心を落ち着けるテクニックをご紹介します。専門家によると、この方法は人によっては深呼吸よりも効果的な場合もあるそうですよ。
「3-3-3ルール」って、一体どんなもの?
「3-3-3ルール」とは、「グラウンディング・テクニック」の一種です。
グラウンディングとは、その名の通り「地に足をつける」という意味。不安や心配事でフワフワと浮いてしまった心を、「今、ここ」という現実の感覚に引き戻すための心理的な手法です。
過去の後悔や未来への不安から意識をそらし、五感を使って現在の環境に注意を向けることで、心の嵐を鎮める効果が期待できます。
やり方はとっても簡単!3つのステップ
「3-3-3ルール」のやり方は、驚くほどシンプルです。不安を感じ始めたら、次の3つのステップを試してみてください。
- ステップ1:見えるものを3つ探す
まず、あなたの周りを見渡して、目に入るものを3つ、心の中で(あるいは声に出して)確認します。例えば、「机の上のマグカップ」「壁にかかった時計」「窓の外の木」といった感じです。形や色を意識すると、より集中できます。 - ステップ2:聞こえる音を3つ探す
次に、耳を澄ませて、今聞こえる音を3つ見つけます。例えば、「パソコンのファンの音」「遠くを走る車の音」「自分がキーボードを打つ音」など、どんな些細な音でも構いません。 - ステップ3:体の部分を3つ動かす
最後に、自分の体の一部を3箇所、意識して動かしてみましょう。例えば、「足の指をグーパーさせる」「肩をゆっくり回す」「手首をクルクルと動かす」など、簡単な動きでOKです。
これだけです。この3つのステップを行うことで、意識が不安な考えから離れ、現在の身体的な感覚へとシフトしていくのを感じられるはずです。
なぜこの方法で心が落ち着くの?
このシンプルなテクニックがなぜ効果的なのか、専門家はいくつかの理由を挙げています。
一つは、これが「パターン・インタラプト(思考パターンの遮断)」として機能するからです。不安な時、私たちの頭は同じようなネガティブな考えを繰り返しがちです。しかし、「3-3-3ルール」を実践すると、見る・聞く・動かすという具体的なタスクに脳を強制的に集中させることになり、この悪い思考のサイクルを断ち切ることができるのです。
神経心理学者のナン・ワイズ博士によると、私たちの脳には、ぼんやりしている時に過去や未来について考えを巡らせる「デフォルト・モード・ネットワーク」と、目の前のタスクに集中している時に活動する「タスク・ポジティブ・ネットワーク」という回路があります。不安な思考は前者の働きによるものですが、「3-3-3ルール」は後者の回路を活性化させ、脳のスイッチを切り替えることで、私たちを不安から引き離してくれるのです。
深呼吸が苦手な人にもおすすめ
心を落ち着ける方法として有名な「深呼吸」ですが、パニックに近い状態の時には、呼吸に集中すること自体が難しかったり、息苦しさを感じてしまったりすることもあります。
その点、「3-3-3ルール」は、見る・聞く・動かすという、より積極的で具体的な行動を伴います。そのため、さまよいがちな心を「今」に繋ぎとめる力が強く、深呼吸がうまくできないと感じる人にとっては、より効果的な代替案となり得るのです。
このテクニックは、いつでも、どこでも、誰にも気づかれずに実践できるのが大きな魅力。会議中、電車の中、眠れない夜など、心がザワついた時に試せる、頼もしいお守りのようなツールと言えるでしょう。
筆者のコメント
この「3-3-3ルール」、とてもシンプルなのにすごく合理的で驚きました。不安な考えから無理やり目をそらすのではなく、感覚を使って自然に意識を切り替えるというアプローチが優しいですね。これなら、場所を選ばずに「ちょっと心が疲れたな」という時に、こっそり実践できそうです。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
This Soothing Technique Might Just Be Better Than
Breathwork