コンテンツへスキップ

コーディング面接は必要?- 面接方法の進化と最高の開発者を見つける方法

Coding Interviews: Are They Still Necessary?

プログラマーの採用面接、「コーディングテスト」は本当に必要?

こんにちは、AI技術について分かりやすく解説するブログを書いているジョンです。

今日は少し視点を変えて、テクノロジー業界の「人」にまつわるお話、特にプログラマーの採用面接について考えてみたいと思います。良いソフトウェア開発者を見つけるのは、企業にとって本当に難しい課題です。そもそも求人に応募してもらうのも、面接に来てもらうのも一苦労。そして面接をした後、その人が本当に採用する価値があるのかを見極めるのは、さらに困難を極めます。

「この人は本当に質の高いコードを書けるんだろうか?」「経歴書に書かれているプログラミング言語は、本当に使いこなせるの?」「実際の経験レベルはどのくらい?」——面接官の頭の中は、こんな疑問でいっぱいです。しかも、ただコードが書けるだけでは不十分。同僚としっかりコミュニケーションを取り、変化の激しい技術の世界についていく能力も必要です。これら全てを、短い面接時間で見抜くのは至難の業ですよね。

もし採用で失敗してしまうと、時間的な損失だけでなく、質の低いコードが残されてしまうなど、その代償は非常に大きくなります。そこで多くの企業が取り入れているのが、面接中に候補者に実際にコードを書いてもらう「コーディング面接」という手法です。今回は、この方法が本当に有効なのか、そのメリットとデメリットを一緒に見ていきましょう。

まるで抜き打ちテスト?「ホワイトボード面接」の功罪

コーディング面接の初期の形は、面接室にあるホワイトボードに直接コードを書いてもらうというものでした。まるでクイズのような問題が出されます。

  • 「連結リスト(データが数珠つなぎになっている構造)を逆順にするプログラムを書いてください」
  • 「ソート済みの配列(データが順番に並んだリスト)から、二分探索(効率的な探し方)を実装してください」

このような問題は、特に大手IT企業でよく出題されたため、LeetCodeやAlgoExpertといった、専門の対策サイトまで登場するほど有名になりました。

企業側も、よりクリエイティブで難しいパズル問題を出したくなる気持ちは分かります。しかし、これがエスカレートすると、候補者を意地悪く試すような「ひっかけ問題」の文化を生み出しかねません。そもそも、実際の仕事で開発者がホワイトボードにコードを書くことなんてありませんよね。彼らが使うのは、IDE(統合開発環境)と呼ばれる専用のソフトウェアです。

ホワイトボードにマーカーでコードを書くという不自然な状況は、やがてパソコンの画面を共有して開発ツールを使いながら行う形に進化しました。しかし、それでもなお、プレッシャーの中で実力を発揮できない人は多くいます。

筆者自身も、このホワイトボード面接を何度も経験してきましたが、その結果には満足していません。うまくいく候補者もいれば、苦戦する候補者もいる。まさに「当たり外れがある」という感じでした。もちろん、プレッシャーの中で素早く考えられる能力は貴重なので、テストで良い結果を出す人は有望なサインではありました。

しかし同時に、「このテストが苦手だからといって、その人がスキル不足とは限らないのでは?」という疑念も常にありました。きっと、良い候補者だったのに、意地悪な問題が解けなかったというだけで不採用にしてしまったケースもあったはずです。それに、候補者を罠にかけようとするような面接は、会社としてどんなメッセージを送ることになるのでしょうか。

「プレッシャーの中で素早く考える」よりも、「問題にじっくりと取り組み、優れた解決策を導き出す」方が、開発者としてはるかに重要なスキルだと思いませんか?

より実践的な「持ち帰り課題(テイクホームテスト)」

そこで次に試されるようになったのが、「持ち帰り課題」です。候補者に自宅で課題に取り組んでもらう方法で、問題もより実践的になります。

  • 「簡単な信号機のシステムを作ってください」
  • 「シンプルな画像ジェネレーター(面白い画像を作るツール)を開発してください」

このアプローチの狙いは、候補者にもう少し時間と労力をかけてもらい、設計スキルも含めて見ることです。候補者は完成したプログラムを持参し、デモンストレーションをしながらコードについて説明します。

筆者はこの方法がずっと好きです。なぜなら、開発者が実際に働く環境に非常に近いからです。現実の仕事では、開発者がその場で即興の解決策を出すことは求められません。むしろ、問題について調査し、じっくり考え、様々な解決策を比較検討して、最善の設計にたどり着くことが期待されます。1週間ほどの時間を与えて課題に取り組んでもらう方が、その人の本当の実力を測る上で、はるかに優れた方法だと言えるでしょう。

「AIやGoogleを使ったらズルじゃない?」という疑問への答え

持ち帰り課題についてよく聞かれる反対意見が、「Googleで検索したり、AIに答えさせたりするだけじゃないか」というものです。これに対する筆者の答えは、「ええ、それで全く問題ありませんよ」というものです。

大切なのは、開発者が「どうやって」解決策にたどり着いたかではありません。重要なのは、その人が解決策を導き出せる能力があるかどうかです。コードの出所がどこかなんて、些細なことです。それよりも、候補者がそのコードを「自分のもの」として、きちんと責任を持って説明できるかどうかに、はるかに興味があります。提出されたコードが綺麗に書かれていて、テストもしっかり行われており、その仕組みや動作をきちんと説明できるのであれば、どうやってそのコードを思いついたかなんて、気にする必要はないのです。

正直なところ、今の時代にAIを使わない開発者は、むしろ時代に遅れています。開発チームには、使えるツールはすべて駆使して、仕事を素早く正確に終わらせてほしいのです。持ち帰り課題を解決するためにAIや他の情報源を使わなかったとしたら、むしろその候補者に疑問を抱くでしょう。

結局のところ、面接プロセスが答えるべき問いは、「この候補者は、我々が求める仕事ができるか?」という一点に尽きます。要件を満たす、きちんと動くコードを提出し、自分の考えを伝え、必要に応じて解決策を修正できる。そんな人がいれば、そのコードをどうやって手に入れたかなんて関係ありません。それこそが、あなたのチームが求める開発者なのです。

筆者のコメント

今回の記事を読んで、採用の考え方も時代と共に大きく変わってきていることを実感しました。特に「AIを使うのはズルではなく、むしろ推奨されるスキル」という視点は、これからの技術者にとって非常に重要だと思います。単に知識を暗記するのではなく、ツールを賢く使いこなして問題を解決する能力が、ますます価値を持つようになるのでしょうね。

この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
Are coding interviews necessary?

関連投稿

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です