老化のスピードをゆるやかに。専門家が注目する11の「長寿マーカー」とは?
皆さん、「いつまでも健康で元気に過ごしたい」と思いますよね。でも、具体的に何を気にすれば良いのか、分かりにくいことも多いはず。そこで今回は、専門家が「長寿の鍵」として注目している11の「バイオマーカー」について、分かりやすく解説します!
バイオマーカーとは、簡単に言うと「体の健康状態を教えてくれる指標」のこと。健康診断の結果にある数値などが、その代表例です。これらの指標をチェックすることで、老化のスピードを予測し、健康的な生活を送るためのヒントが得られるんですよ。
運動能力でわかる健康度
まず大切なのは、体を動かす力。これは私たちの元気の土台になります。
- 1. 心肺機能(VO2max)
これは「体がどれだけ効率よく酸素を使えるか」を示す数値で、持久力の高さ、つまり「スタミナ」の指標です。心肺機能が高い人ほど、長生きである可能性が高いという研究結果も出ています。 - 2. 筋力(特に握力)
意外かもしれませんが、「握力」は全身の筋力を知るための良いバロメーターになります。年齢とともに筋肉が減っていく「サルコペニア」という状態をチェックする簡単な方法でもあり、筋力維持はとても重要です。
体の中をチェック!血液検査でわかること
次に、血液検査などでわかる体の中の数値です。これらは目に見えない体の変化を教えてくれます。
- 3. 血糖値コントロール
血糖値が高い状態が続くと、体の老化が進みやすくなります。「空腹時血糖値」や「インスリン」のほか、特に「ヘモグロビンA1c(HbA1c)」は、過去2〜3ヶ月の血糖値の平均がわかる重要な数値です。 - 4. 血圧
高い血圧は、血管や心臓に負担をかけ、様々な病気のリスクを高めます。理想的な血圧は120/80 mmHg未満とされています。 - 5. 脂質(ApoB)
コレステロールの中でも、特に「ApoB」という数値を専門家は重視しています。これは、動脈硬化の原因となる粒子(悪玉コレステロールなどを運ぶトラックのようなもの)の「数」を直接測る指標です。従来のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)値よりも、心臓血管系のリスクをより正確に把握できると言われています。 - 6. 肝機能(ALT, AST)
これらは肝臓の細胞がダメージを受けたときに血液中に出てくる酵素の数値です。「沈黙の臓器」と呼ばれる肝臓からのSOSサインを見逃さないためにチェックしましょう。 - 7. 炎症(hs-CRP)
これは「体の中で起きている、目に見えない小さな火事(慢性炎症)」を測る数値です。慢性的な炎症は、老化や多くの病気の根本的な原因になると考えられています。 - 8. 腎機能(eGFR)
腎臓は、血液中の老廃物をろ過してくれる大切なフィルターです。eGFRは、「腎臓フィルターが、どれだけしっかり老廃物をろ過できているか」を示す指標で、この機能が落ちていないかを確認します。
見た目だけじゃない!体の構成とバランス
最後に、体重計の数字だけではわからない、体の「中身」に関する指標です。
- 9. 体組成
体重やBMI(肥満度指数)よりも大切なのが、筋肉と脂肪のバランス、そして脂肪がどこについているかです。特に、お腹周りの「内臓脂肪」は健康リスクを高めることが知られており、「ウエストとヒップの比率」も重要な指標になります。 - 10. ホルモンバランス(DHEA-S)
DHEA-Sは、活力や若々しさに関わるホルモンの元になる物質で、「若返りホルモン」とも呼ばれます。年齢とともに自然に減少するため、このバランスを整えることも大切です。 - 11. 栄養状態
特定の栄養素が足りているかも、健康を維持する上で欠かせません。特にビタミンD、オメガ3脂肪酸、マグネシウムは、体の様々な機能に関わる重要な栄養素です。
筆者Jonの一言
こうして11項目を並べてみると、「全部チェックするのは大変そう…」と感じるかもしれませんね。でも、大切なのは完璧を目指すことではなく、まず自分の体の状態に関心を持つことです。年に一度の健康診断の結果をしっかり見てみたり、日々の食事や運動を少し意識してみることから始めてみてはいかがでしょうか。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです:
Want To Slow Down Aging? Focus On These 11 Longevity
Biomarkers