「株式市場は、ずっと年15%で成長し続けるの？」― 高いリターンの裏側を覗いてみよう
こんにちは、Jonです！お金や健康について、初心者の方にも分かりやすくお伝えしています。
最近、株式市場の調子が良くて、「このまま毎年15%くらい増えていったら最高だな…」なんて思ったことはありませんか？特に、ここ数年の素晴らしいリターンを見ていると、そんな期待を抱いてしまうのも無理はありません。でも、本当にそんな「夢のような成長」はずっと続くのでしょうか？
今日は、なぜ株式市場が永遠に年15%で成長し続けることはできないのか、そのシンプルな理由を一緒に見ていきましょう。この仕組みを知っておくと、もっと安心して長期的な投資と付き合えるようになりますよ。
そもそも、株価のリターンは何で決まるの？
株式市場全体のリターン（投資から得られる利益のことですね）は、主に3つの要素から成り立っています。パズルのピースのように、これらが組み合わさって全体像ができあがるイメージです。
- 企業の利益成長（Earnings Growth）
会社がビジネスでしっかり稼いで、利益が伸びていくことです。利益が増えれば、その会社の価値も上がり、株価も上昇しやすくなります。これがリターンの最も基本的な源泉です。 - 配当（Dividends）
会社が出した利益の一部を、株主（株を持っている人）に「お礼」として分配することです。私たち投資家にとっては、直接的な収入になります。 - バリュエーションの変化（Change in Valuation）
これは少し専門的に聞こえるかもしれませんが、「投資家たちの期待感の変化」と考えてみると分かりやすいです。同じ利益を出す会社でも、人気が高まれば株価は上がりますよね。この「人気度」や「期待度」を示す指標の一つにPER（株価収益率）があります。PERが上がると、それは投資家が将来の成長により高い期待を寄せている証拠で、株価を押し上げる要因になります。
なぜ「年15%」がずっとは続かないのか？
では、なぜこれらの要素が合わさっても、「年15%」という高い成長率が永遠には続かないのでしょうか。それぞれのピースを詳しく見てみましょう。
1. 企業の利益は、経済全体のペースを超えられない
企業の利益が毎年15%ずつ成長し続けると想像してみてください。これは、国の経済成長（GDP成長率など）をはるかに上回るスピードです。最初は良くても、何十年も続けば、いずれ企業の利益規模が経済全体を追い越してしまうという、あり得ない状況になってしまいます。
木がものすごい勢いで成長しても、地球全体を覆うことはできないのと同じで、企業の成長もまた、それが属する経済という土壌の大きさには逆らえないのです。長期的に見れば、企業の利益成長は、経済全体の成長ペースに落ち着いていくのが自然です。
2. 投資家の「期待」には上限がある
ここ数年の高いリターンには、実はこの「バリュエーションの上昇」が大きく貢献しています。つまり、投資家たちの期待感がどんどん高まって、PERが上昇したことで株価が押し上げられてきたのです。
しかし、この期待感も無限に上がり続けるわけではありません。PERが歴史的に見て非常に高い水準に達すると、それ以上は上がりにくくなります。むしろ、いつかは平均的な水準に戻ろうとする力が働きます。もし期待が「普通」に戻る（PERが下がる）と、今度はそれが株価の足を引っ張り、リターンを押し下げる要因になってしまうのです。
3. 歴史が示す「現実的な」リターン
過去の長いデータを見てみると、株式市場の平均的な年間リターンは、だいたい7%から10%の範囲に収まることが知られています。もちろん、年によっては20%以上上がることもあれば、マイナスになる年もあります。15%を超えるような素晴らしい年が続くこともありますが、それはあくまで「平均より良い時期」であり、永遠のスタンダードではないのです。
高いリターンが続くと、それが「普通」だと感じてしまいがちですが、長期的な視点で見れば、それは例外的な期間である可能性が高い、と心に留めておくことが大切です。
じゃあ、私たちはどう考えればいいの？
「なんだ、じゃあ夢はないのか…」なんてがっかりする必要は全くありません！むしろ、この事実を知ることで、私たちはもっと賢く投資と付き合えます。
- 現実的な期待を持つ：最初から「年15%」を期待するのではなく、歴史的な平均である「年7〜10%」あたりをゴールに設定しましょう。そうすれば、市場が少し停滞したときでも、焦らずに済みます。
- 長期的な視点を忘れない：投資はマラソンのようなものです。一年一年の結果に一喜一憂せず、10年、20年という長い目で、資産が着実に育っていくのを見守る姿勢が成功の鍵です。
- 続けることが力になる：高いリターンを追いかけて売買を繰り返すよりも、コツコツと積立投資などで買い増していく方が、最終的には大きな力になります。市場が良い時も悪い時も、淡々と続けることが大切なのです。
最近の株高を見ていると、「このまま続けば…！」と夢が膨らみますよね。でも、そんな時こそ一歩引いて、市場の仕組みを冷静に理解することが、長く付き合っていくためのコツだと思います。高い期待よりも、着実な成長を信じてコツコツ続けるのが一番の近道ですね。
この記事は、以下の元記事をもとに筆者の視点でまとめたものです：
Why Can’t the Stock Market Grow at 15% Forever?