コンテンツへスキップ

リニア、無限のスケーリング力でブロックチェーンの壁を打ち破る!

Linera: Infinite Scaling Arrives for the Blockchain Revolution

こんにちは!Web3やメタバースの最新情報を追いかけているブロガーのJonです。

最近、X(旧Twitter)などで「Linera(リネラ)」という新しいブロックチェーンプロジェクトが話題になっているのをご存知ですか?「無限のスケーリング」という、なんともパワフルなキャッチフレーズを掲げていて、Web3の世界が抱える大きな課題を解決するかもしれないと、大きな期待が寄せられています。

このLinera、実はMeta社(旧Facebook)のブロックチェーンプロジェクト「Diem」に深く関わっていたエンジニアが立ち上げたものなんです。今回は、そんな注目のLineraが一体何を目指していて、私たちの未来にどんな影響を与える可能性があるのか、その背景から最新動向まで、わかりやすく解説していきます!

ブロックチェーンがずっと抱えてきた「スケーラビリティ問題」

Lineraの話に入る前に、まずは背景にある大きな課題についておさらいしておきましょう。それは「スケーラビリティ問題」です。

過去には、ビットコインやイーサリアムといった主要なブロックチェーンが、その人気ゆえに多くの人に利用されるようになりました。しかし、利用者が増えれば増えるほど、取引の処理が追いつかなくなり、送金詰まりや手数料(ガス代)の高騰といった問題が発生してしまったのです。

これは、ブロックチェーンが「スケーラビリティ(処理能力)」「セキュリティ(安全性)」「分散性(非中央集権性)」という3つの要素を同時に高いレベルで満たすのが難しい、「ブロックチェーンのトリレンマ」と呼ばれる課題を抱えているためです。

この問題を解決するために、これまでにも様々な技術(レイヤー2ソリューションなど)が開発されてきましたが、Web2.0サービスのようなサクサクとした快適な使い心地を、完全な分散性を保ったまま実現するには、まだ道半ばといった状況でした。

期待の新星「Linera」プロジェクトの登場

そんな長年の課題に、まったく新しいアプローチで挑もうとしているのが、今回ご紹介する「Linera」です。

創設者はMeta(旧Facebook)のDiemプロジェクトを率いた天才エンジニア

Lineraを創設したのは、Mathieu Baudet(マチュー・ボーデ)氏。彼はMeta社で、ステーブルコイン「Diem(ディエム、旧Libra)」やウォレット「Novi(ノヴィ)」の研究開発を率いていた中心人物の一人です。

Diemは、世界中の人々が低コストで金融サービスにアクセスできる世界を目指した壮大なプロジェクトでしたが、規制上の課題などから最終的に実現には至りませんでした。しかし、その過程で培われた高度な技術やビジョンは、Web3業界に大きな影響を与えました。Baudet氏は、Diemで得た知見をもとに、今度はオープンで分散化された形でスケーラビリティ問題を解決するため、Lineraを立ち上げたのです。

a16zなどトップVCから巨額の資金調達に成功

Lineraプロジェクトの将来性は、世界トップクラスのベンチャーキャピタル(VC)からも高く評価されています。

2022年6月には、Web3分野への投資で非常に有名なAndreessen Horowitz(a16z)の仮想通貨ファンド「a16z crypto」が主導する形で、600万ドルのシードラウンド資金調達を発表しました。さらにその後、Sequoia CapitalやBorderless Capitalなどからも追加で600万ドルの資金を調達したことが報じられており、その期待の高さがうかがえますね。

トップティアのVCが初期段階から支援するということは、その技術的な優位性やビジョンが本物であることの証左とも言えるでしょう。

Lineraはなぜ「無限のスケーリング」を目指せるのか?

では、Lineraは具体的にどのような技術でスケーラビリティ問題を解決しようとしているのでしょうか。その核心となるのが「マイクロチェーン」という考え方です。

各ユーザーが持つ「マイクロチェーン(Microchains)」

これまでの多くのブロックチェーンは、全ての取引が一本の大きなチェーンに記録されていく「モノリシック(一枚岩)」な構造でした。そのため、誰かの取引処理が遅れると、後続の取引も待たなければならない、という渋滞が起きやすかったのです。

一方、Lineraが採用するのは「マイクロチェーン」または「ライトウェイトチェーン」と呼ばれるアプローチです。これは、各ユーザーのアカウントが、それぞれ独立した軽量なチェーンを持つという画期的な仕組みです。

  • 個々のユーザーの操作は、そのユーザー自身のマイクロチェーン内で処理されます。
  • 他のユーザーの活動が、自分の処理速度に影響を与えることはありません。
  • これにより、膨大な数の処理を同時に「並列」で実行できるようになります。

例えるなら、一本しかなかった高速道路の料金所を、各車線専用のETCゲートにするようなイメージでしょうか。これにより、システム全体の処理能力が劇的に向上する、というわけです。

「エラスティックスケーラビリティ」の実現へ

このマイクロチェーンの仕組みによって、Lineraは「エラスティックスケーラビリティ(伸縮自在な処理能力)」の実現を目指しています。

従来のブロックチェーンは、システムの性能を上げるために処理能力の高いマシン(プロセッサ)を追加しても、性能向上がそれに比例しない「リニアスケーリング」の限界がありました。

しかしLineraのアーキテクチャでは、取引を検証・承認する「バリデーター」を追加すればするほど、システム全体の処理能力がそれに比例して向上するとされています。理論上は、需要に応じて無限にバリデーターを追加することで、無限にスケーリングできる可能性があることから、「Infinite Scaling Power」という言葉が使われているのです。

Lineraが切り拓くWeb3の未来

もしLineraがこのビジョンを実現できれば、私たちのWeb3体験は根底から変わる可能性があります。

Web2のように快適なWeb3アプリケーションの誕生

Lineraがもたらす「低遅延(low-latency)」と「高スケーラビリティ」は、これまで実現が難しかったタイプのアプリケーションを可能にします。

  • リアルタイム対戦型のWeb3ゲーム:一瞬の遅れも許されないアクションゲームや対戦ゲームを、ブロックチェーン上で実現。
  • 大規模な分散型SNS:数百万人が同時に投稿や「いいね」をしても、遅延なく快適に使えるSNS。
  • 高速なマイクロペイメント:コンテンツクリエイターへのリアルタイムなチップ送金や、商品の超小額決済など。

現在は、こうしたアプリケーションは処理速度の問題から、一部を中央集権的なサーバーに頼らざるを得ないケースが多くありました。Lineraは、真に分散化された形で、Web2サービスと遜色ないユーザー体験を提供することを目指しているのです。

Looking ahead:開発の現状と今後の展望

Lineraは現在、活発に開発が進められています。2023年5月には、開発者がLinera上でアプリケーションを構築し、テストできる「Devnet(開発者向けネットワーク)」とSDK(ソフトウェア開発キット)を公開しました。

これにより、世界中の開発者がLineraの可能性を実際に試せるようになり、エコシステムの拡大に向けた第一歩を踏み出しています。今後は、より多くの人が参加できるテストネットの公開、そして最終的にはメインネットのローンチが期待されます。

もちろん、この壮大な挑戦には技術的なハードルも多く残されているでしょう。しかし、Diemで培われた経験を持つ強力なチームと、トップVCからの支援を背景に、着実にプロジェクトは前進しています。

まとめ
Lineraは、Diemプロジェクトの思想を受け継ぎながら、オープンかつ分散的なアプローチでブロックチェーン最大の課題であるスケーラビリティ問題に挑む、非常に野心的なプロジェクトです。その「マイクロチェーン」という独自の発想は、Web3アプリケーションのUX(ユーザー体験)を劇的に向上させるポテンシャルを秘めています。まだ開発の初期段階ではありますが、Web3が真にマスアダプション(大衆への普及)を達成するための鍵を握る存在になるかもしれません。今後の動向から目が離せませんね!

この記事は、以下の公開情報を参照し、筆者がファクトチェックのうえで構成したものです:

関連投稿

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です